エンディングノートの書き方ノート~4.2.介護・成年後見制度についての希望を書く(2)

介護・成年後見制度についての希望を書く(2)

エンディングノートの書き方ノート|コトダマの里
4.2.介護・成年後見制度についての希望を書く(2)
このシリーズではエンディングノート(終活ノート)を書くときに役立つ情報をまとめてご紹介していきます。4では介護に必要になった場合の希望を書くときに役立つ予備知識を、最近のニュースも含めて紹介します。今回は介護施設について取り上げます。

高齢者施設のいろいろ~「介護保険施設」と「介護保険以外の施設」~

 一人で生活が困難になったとき、取るべき手段は、「自宅に子どもを呼び同居」、「子どもの家で同居」、もしくは高齢者用の施設に入ることになります。

 高齢者施設と言ってもさまざまで、大きく介護保険上で「施設」として認知される「介護保険施設」と、有料の老人ホームなど、介護保険上では施設として認知されない「介護保険以外の施設」の二つに分かれます。

「介護保険施設」と「介護保険以外の施設」

図作成:コトダマの里

 

(1)介護保険施設以外の施設

 介護保険施設以外の老後の住まいは自宅以外では、有料老人ホーム、サ高住・シェアハウスなどがあげられますが、介護保険のうえでは在宅扱いになるので、介護が必要になった場合にこれらの施設の中で受ける介護サービスは居住系サービスを利用することになります。

【介護保険施設以外の施設】

 有料老人ホーム
老人福祉法で規定された高齢者向けの居住施設。いわゆる「老人ホーム」。提供される介護サービスの内容に応じて「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類に分かれる。施設の内容、料金はピンキリ。
 グループホーム 認知症の高齢者のための共同生活施設。住み慣れた土地で、5-9人の小人数な家庭的雰囲気の中で介護や支援を受ける。
 ケアハウス ケアハウス(軽費老人ホーム)は身体機能が低下して一人で暮らすのが不安など、比較的軽度の人向けの施設。対象は60歳以上。
 サ高住 サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者向けのマンションのような集合住宅で全てがバリアフリー。日中は、介護スタッフやヘルパーが常駐。施設の内容、料金はピンキリ。

 
定年後の人生をリッチに、富裕層向けの入居金が数千万円から億単位という豪華な施設で食事やレクリエーション付きの超高級老人ホームがメディアでも取り上げられています。高級ホテルのような、至れり尽くせりのサービスが提供されるようです。

入居金は最低でも1人1億2800万円(夫婦では1億4400万円)

東京・世田谷区成城の高級老人ホーム(出典:PRESIDENT Online 2009.3.17)

東京・世田谷区成城の高級老人ホーム

 ……自慢が医療・介護体制の万全さだ。4階に「サクラビアクリニック」を併設しており、365日・24時間、医師と看護師が常駐し、東京女子医科大学と提携して各専門医が日替わりでやって来る。入居者はちょっとした体調の異変でも気軽に受診できる。年1回、入居者の誕生月には人間ドックも実施する。各居室にはナースコールがついており、深夜でも居室に往診してくれる。

 <…中略…>

 施設・娯楽も申し分ない。舞台・音響・照明設備にピアノを置いたホール、トレーニングルーム、シアタールーム、ビリヤードルーム、囲碁・将棋ルーム、絵画制作を楽しめるアトリエ、大きな電気窯を備えた陶芸用の部屋、図書室などが完備されている。

 このような超高級老人ホームは一部のお金持ち向けのサービスですが、介護が必要になったときに入る施設の候補として「有料老人ホーム」を思い浮かべるのが一般的です。繰り返しになりますが、介護保険でいう「介護保険施設」には有料老人ホームは入りません。介護保険の定義上では賃貸マンションのような「住居」として扱われます。ですから老人ホームの中で受けている介護サービスは、介護保険上は、賃貸マンションで居住系のサービスを利用していることになるのです。

 老人ホームに次ぐ、老後の住まいの新たな選択肢として登場した高齢者向け賃貸住宅です。当初は”高専賃””高優賃”など高齢者向け賃貸住宅の制度的仕組みがややこしかったが、改正法の施行をうけて2012年10月20日に「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」へ一本化された。それからたった一年余りで、登録数は8万戸を超えて急増しています。

 一見両方とも住居であり、介護サービスも行われているので、同じじゃないかとおもえるのですが、実は施設のメインの目的が、有料老人ホームが「生活支援をする場所」であるのに対して、サ高住はあくまで高齢者向けに作られた賃貸住宅つまり「住宅を提供する場所」であるという違いがあるそうです。素人目には、とてもややこしいですね。

 最近、人気出始めているのが、つい先日のコトダマの里ニュースウォッチでもご紹介したシェアハウスです。若者に人気だったシェアハウスが、最近は高齢者向けものや、多世代同居型のシェアハウスも増えてきているようです。

シェアハウス(出典:マイナビ 2012.9.6)

シェアハウス
(出典:マイナビ 2012.9.6)

 それから「軽費老人ホーム ケアハウス」と呼ばれる施設もあります。そもそもは「社会福祉法」に定められた福祉施設で、対象は60才以上で、自炊が出来ないなどひとり暮らしするのが困難だけれども身の回りのことは自分で出来る人に、食事・入浴のサービスが提供されます。「ケアハウス」は一般的に身の回りのことは自分でできるひとが対象ですが、要介護状態になれば退去しなければなりませんが、「介護型」のケアハウスもあり、「介護型」では要介護状態になっても住み続けられます。

 

(2)介護保険上の介護保険施設(施設サービス)

 介護保険上の介護保険施設とは、「介護保険施設」は「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」の三つの施設を指します。

【介護保険上の介護保険施設】

特別養護老人ホーム
特養(特別養護老人ホーム)は長期入所の介護施設。費用も安く大変人気がある。対象は65歳以上の要介護1以上の人だが、平成2015年8月以降は要介護3以上に引き上げられる。
介護老人保健施設 老健(介護老人保健施設)は、介護サービスによって在宅へ復帰するための、リハビリ目的の施設です。それゆえ、入居できる期間は短く3ヶ月程度。
介護療養型医療施設 医療サービスに重点を置いた施設。介護を受けながら治療を続けます。2018年3月に廃止予定、その後は「新型老健」に引き継がれる。


 「特別養護老人ホーム(特養)」は終身いることができて、しかも安価なので大人気です。2009年に厚生労働省が申込者数が全国で約42万人と発表して以来、特養の入所待ちが問題化、今でも、施設数が足りなく特養の入所待ちが、なかなか改善されない状況が続いています。

千葉県内の特養入居待機者3年連続1万8000人を超え<br /><p class=(出典:読売新聞→ヨミドクター 2014.1.10)” width=”300″ height=”213″ class=”size-full wp-image-1000″ />千葉県内の特養入居待機者3年連続1万8000人を超え
(出典:読売新聞→ヨミドクター 2014.1.10)

 一方、「介護老人保健施設」と「介護療養型医療施設」は両方とも終身いることはできません。「介護老人保健施設(老健)」は病気の回復を目的とした、リハビリ主体の施設なため、3ヶ月程度の入居期限に制限があり、リハビリが長期に渡る場合は、施設を転々と移動することになるようです。 また「介護療養型医療施設(介護療養病床)」は、介護を必要とした人に、医療を行う病院や診療所などの施設です。病状が安定して、長期間の治療が必要な人が対象です。病状が回復したら、病気で病院に入院するのと同じく、退出しなければなりません。

 また「介護療養型医療施設」は、医療病床と療養病床の線引きが難しいこと、そして、医療の必要性の低い人が介護保険給付を受けながら入院しているとの批判もあり2018年3月に廃止される予定です。その後は、老健の医療サービスを充実させた「介護療養型老人保健施設(新型老健)」という新しい施設に転換されます。

 なお、介護保険の施設サービスは要介護1以上の人が対象ですが、人気の特養だけ2015年8月以降申し込めるのは、原則「要介護3」以上の人になると述べましたが、申請の基準が変わるだけで、現在「特養」入所中の要介護1・2の人はもちろん退去する必要はありません!

 このように介護保険の「施設サービス」は高齢化の速度に間に合っていません。施設の増設などでは、とても追いつきません。要介護度の低い人は「施設サービス」ではなく、「在宅サービス」を利用するように、という傾向が強化されそうです。「在宅サービス」の拡充して対応をはかるようです。

特養入所基準を厳格化 要介護3以上に(出典:NHK 2013.9.7)

特養入所基準を厳格化 要介護3以上に
(出典:NHK 2013.9.7)

介護の費用

 介護にかかる費用は、要介護度の違い、「在宅サービス」を主に受けるのか、「施設サービス」で施設に入所するのかなど、その状況により変わってきます。

 生命保険文化センターのサイトでは「在宅介護」で「要介護3」のモデルケースとして介護保険の自己負担分は 自宅の改修費などの初期費用に2万円、月々の自己負担が38,240円と紹介しています。この記事では、一週間のケアプランや訪問介護、デイケア、ショートステイ、福祉用具貸与のそれぞれの単価も掲示されていて参考になります。

 

 

(1)介護施設の費用の構造

 それぞれの施設で受けられるサービス、介護保険の適用の度合い違い、それゆえ費用も施設に寄ってまちまちではありますが、費用体系は大きくは「入居一時金」と「月額費用」から成り立っています。特養や老健などの介護保険施設、には「入居一時金」はかからないうえ、「月額費用」も低くいのが特徴です。 民間施設の「入居一時金」はピンからキリです。また料金体系も、入居一時金が高くとも、月額費用が安かったり、また逆に、入居一時金は安いのに、月額費用が高かったたりと、まちまちです。

 かつては有料老人ホームに比べて「ケアハウス」が比較的安いので人気でしたが、今では有料老人ホームの価格が多様化しているため、ケアハウスが安いとは言えなくなってきています。冒頭で紹介した「超高級老人ホーム」の入居金は数億にもなりますが、首都圏の有料老人ホームでは数百万から1千万円程度が相場だそうです。なお「入居一時金」は施設の終身利用権ですが、退去しても全額返還されることはないようです。健康上の理由などで、退去させられることは結構あるそうです。また介護施設は集団生活の場なので、施設によっては認知症でまわりに危害を加えるなどの行為が頻発する場合は、退去を命ぜられることもあるそうです。

 

(2)介護の準備資金

 先ほどの生命保険文化センターでは、平成24年の調査では「要介護状態になったら、どのくらい資金があれば安心か」、介護のために準備しておく必要資金について尋ねました。

 調査の結果、住宅改造や介護用品購入などの初期費用(介護保険でかかる費用を抜いて)は、平均が262万円で、「100~200万円未満」が必要資金と答えた人が最も多く26.4%いました。
 要介護状態となった場合、月々かかる費用の資金としては、平均が月額17.2万円で、「月額10~15万円未満」が最も多く29.1%でした。
 また介護費用はどのくらいの期間準備しておくかを尋ねたところ、平均で168.5ヵ月(14年1ヵ月)、「10~15年未満」分は準備が必要と考えている人が35.5%と最も多くなっていました。

 なお月額の費用は入る施設によって変わってきます。介護保険施設の場合は、介護保険の自己負担分と、部屋代・食事代を含めて月額15万円程度、民間施設の場合は25万円程度が目安と聞きます。

 ところで自宅で家族の人に介護してもらえば費用がかからないという意見もありますが、介護の度合いが高くなればなるほど家族の人の負担が増えます。介護でお仕事を辞める方も実際多くいらっしゃいますので、収入と支出のバランスから見れば、決して自宅介護は「お金がかからない」とは言えません。もちろん一人暮らしから、同居になる場合は、引っ越し代やリフォーム代などもかかってきます。

 さて今回はいかがだったでしょうか、介護施設にはいろいろ種類がたくさんあって、こんがりそうです。 近頃、有料老人ホームの「一時入居金」悪用した詐欺が横行しているそうです。主な手口は、老人ホームに入居する権利の申し込み書が自宅に届けられたあと、別の業者を名乗る人から「その権利はあなたにしか買えない。代わりに申し込んでほしい」と持ちかけ、親切心につけ込んでお金をだまし取るそうです。気をつけましょう。 次回は成年後見人制度と認知症について紹介します。

「老人ホーム入居権」被害急増(出典:NHK 2014.2.11)

「老人ホーム入居権」被害急増
(出典:NHK 2014.2.11)

 

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