エンディングノートの書き方ノート~2.2.葬儀についての希望を書く(2)

葬儀についての希望を書く(2)

エンディングノートの書き方ノート|コトダマの里
2.2.葬儀についての希望を書く(2)
このシリーズではエンディングノート(終活ノート)を書くときに役立つ情報をまとめてご紹介していきます。2.2では葬儀・葬式・葬送のスタイルを考える際のポイントを、最近のトレンドも含めてご紹介しています。

 
 人の死は突然です。臨終を迎えてからでは遺族は葬儀スタイルや葬儀業者をじっくり検討する時間はありません。深い悲しみを抱えながら忙しくお葬式の手配をしなければならず、気が動転しているドタバタの中で結局は一切合切葬儀屋さん任せということになりがちです。行き当たりばったりで業者を選んで不当に高額なお葬式を上げていたことが後になって分かることもままあります。

 そうならないためにも、生前に目星をつけておくことで遺族もだいぶ救われるでしょう。今回は、葬送スタイルを考える際のポイントを、最近のトレンドも含めてご紹介しています。

お葬式の形式は宗教・宗派によってさまざま

 お葬式の形式は宗教・宗派によって違ってきます。日本人に一番多いのは仏式です。

 自分で葬儀スタイルを計画する前に、菩提寺がある場合は事前に菩提寺に葬儀の相談をして下さい。お寺によって決められたやり方があり、自分が望むようにはできなこともあります。

 また本人がご家族と異なる宗教を信仰している場合は、遺された家族も勝手が分からず迷うことも多いようです。その結果、遺志を尊重することができなくなってしまいます。

 エンディングノートには仏式、キリスト教式、神式、その他の宗教の形式、または無宗教(自由葬)で葬儀を行いたいのかなどについて希望する形式を書きます。また菩提寺など所属するお寺、教会、神社などがあれば、その連絡先(名称・住所・電話番号)も書いておきます。

 日本のお葬式のほとんどが仏式ですから、他の形式で行う場合は葬儀屋さんが不慣れなこともあるようです。所属する宗教施設に相談したり、各宗派に強いお葬儀屋さんを探しておくのも手です。実際に問い合わせるなど、段取りを下調べしておくと良いでしょう。またエンディングノートにも、その旨、書いておきましょう。

「執り行った葬儀の形式」東京都生活文化局「葬儀にかかわる費用等調査報告書」(2002年)

(東京都生活文化局『葬儀にかかわる費用等調査報告書(2002年)』(→生協の葬式・葬儀「ゆきげ」)のデータからコトダマの里作成)

【書き方サンプル】葬式についての希望(1)

・葬式について
 希望するスタイル:仏式
 宗派:浄土真宗
 菩提寺:○○寺
  (住所)東京都新宿区○○X-X-X
  (電話・FAX)XXXX-XXX-XXX
 【備考】ご住職の名前は○○▲▲さんです。

 [記入日 ○○年○月○日]

 

葬儀の場所

 お葬式をあげる場所の候補をあげると、自宅、葬儀専用の式場などのいわゆる斎場、菩提寺や教会などの宗教施設、町内会の集会所などがありますが、葬儀専用の式場の人気が圧倒的に高いです。

日本消費者協会「第9回葬儀についてのアンケート調査」(2009年)

(日本消費者協会『第9回葬儀についてのアンケート調査(2009年)』(→公益財団法人生命保険文化センター)のデータよりコトダマの里作成)

 会場選びは、お葬式のスタイルとマッチングして選ぶのがポイントになります。

 例えば家族葬を行う場合は「自宅」は家族の負担が少なく向いています。一方一般葬を自宅で行う場合は、葬儀の段取りや部屋の片づけ、参列者の接待と家族の負担はとても大きくなります。むしろ、一般葬で多くの方にご参列いただく場合は、「交通の便の良いところ」「駐車場のあるところ」ということが選択基準になります。

 なお、菩提寺がある場合は、たとえ菩提寺から遠い場所でお葬式をあげる場合も菩提寺のお坊さんに来て頂いてお経をあげていただくのが基本です。お坊さんの都合がつかない場合は、近くで同じ宗派のお坊さんを紹介してくれることもあるそうです。

 また、葬儀専用の式場は葬儀屋さんの指定があるところも多いので事前に調べておきましょう。

 以下で葬儀の各場所のメリット・デメリットをまとめたので参考にして下さい。

【葬儀場所の種類とメリットとデメリット】
斎場 メリット デメリット
公営斎場
  • 費用が安い
  • 火葬場が併設されている場合が多い
  • 葬儀社の制限がない
  • 専門のスタッフがいるので安心
  • 場所が少し不便なところが多い
  • 利用希望者多いので、日にちを待つ場合がある
  • 利用資格に制限がある
  • 時間に制限がある
民営斎場
  • 交通の便の良いところが多い
  • 火葬場が併設されている場合もある
  • 日にちを待つことは少ない
  • 専門のスタッフがいるので安心
  • 費用がかかる
  • 葬儀社が指定される場合があり
  • 時間に制限がある
葬儀社所有
の斎場
  • サービス・設備が整っている
  • 専門のスタッフがいるので安心
  • 自社施設のため自由がきく
  • 斎場所有の葬儀社に限られる
  • 時間に制限がある
菩提寺
  • 慣れ親しみのある場所で落ち着いて見送れる
  • 出入りなど、葬儀社が指定される場合があり
  • 時間に制限がある
集会所
  • 費用が安い
  • 慣れ親しみのある場所で落ち着いて見送れる
  • 自宅から近い
  • 町内など、葬儀社が指定される場合が多い
  • 時間に制限がある
自宅
  • 長年住み慣れた我が家で見送れる
  • 会場費がかからない
  • 自宅の片付けをしなくてはならない
  • 慣れない事で、家族が段取りに追われる
  • 会葬客やお坊さんの対応など、家族の負担が大きい
ホテル
  • 交通の便が良いところが多い
  • 宿泊できるので遠方からの参列者が多い場合は便利
  • ホテルならではのきめ細やかなサービスと美味しい料理でおもてなしできる
  • ホテルはお焼香が禁止されているため、火葬後、「お別れの会」といった無宗教形式で行います
  • 時間に制限がある

葬儀のスタイル

 最近のお葬式は、家族葬、直葬、密葬、無宗教葬、自然葬、樹木葬、海葬、宇宙葬など、人それぞれ、十人十色です。なかでも、「家族だけで心温まる見送りをしたい」「費用をおさえたい」という要望から家族葬や直葬が話題を呼んでいます。

 人気の家族葬、直葬、そして従来型の一般葬の違いと、それぞれのメリット・デメリットを比較しました。

【葬儀スタイル別のメリットとデメリット】
  スタイル メリット デメリット
一般葬 親族、友人、知人、仕事関係者などに広く知らせて、通夜・葬儀・告別式を行う、従来型の葬儀。
  • 故人にゆかりのある多くの人と、一度にお別れできるので、葬儀後の弔問対応など、遺族の負担を軽くできる。
  • 沢山の人に見送られる姿は、悲しむ遺族の励みになります。
  • 一般的な葬儀で、馴染みのスタイル。
  • 費用はかかる。
  • (香典がある場合は遺族の費用負担は減る)
  • 規模に合わせて式場・祭壇などの費用も上がる。
  • 会葬者の飲食費用など、正確な数の予測が難しいため費用に無駄がでやすい。
  • 遺族は会葬者の対応に追われるため、故人と十分なお別れができずに、悔いを残すことがある。
家族葬 家族や親族と故人とごく親しい人のみで行う小規模な葬儀。
形態はさまざま。
  • 少人数であれば費用は安い。
  • ゆっくりとお別れの時間がとれる。
  • 段取りが比較的自由度が高い。
  • 家族・親族中心なので気遣いが少ない。
  • 周囲からの理解が得られない場合がある。
  • 連絡がいかない事で、気分を害する人もいる。
  • 香典は望めないため、費用全額が遺族の負担となることが多い。
  • 葬儀後、自宅に相次いで弔問客が訪れることが多く、遺族が落ち着かない。
直葬 火葬のみで、通夜・告別式は行わないシンプルな葬送のスタイル。
形態はさまざま。
  • 費用は安い。棺・保管料に火葬料金、移送料程度で10万~30万円程度が相場。
  • 身内だけなので気遣いはほとんどない。
  • 葬儀のわずらわしさがないぶん、故人とゆっくりお別れができる。
  • 火葬だけで見送るので、遺族が故人の死を受け入れにくく、精神的ダメージをひきずることもある。
  • 周囲からの理解が得られない場合がある。
  • 連絡が行かないことで、気分を害する人もいる。
  • 香典は望めないため、費用全額が遺族の負担となることが多い。
  • 葬儀後、自宅に相次いで弔問客が訪れることが多く、遺族が落ち着かない。

 
 近頃は、一般葬のスタイルであっても、ちょっとだけオリジナリティをプラスして亡くなられた方の人柄が忍ばれるお葬式をお見かけすることが多くなりました。

 先日わたしが参列させていただいた方のお葬式では、「メモリアル・コーナー」に愛用の万年筆や自分史年表がありました。その自分史年表は、レイアウトが素晴らしく、子どもの頃からの写真と文字がバランスよく配置されていて、その年表を読んで初めてその方がかつて編集の仕事をなさっていたことを知りました。お葬式は「個人」の人生を締めくくるセレモニーニーになったのだな、とつくづく感じました。

 お葬式屋さんのサービスも個々人のさまざまな要望に応じて多様化しています。出棺前に可愛がっていたペットと式場外でお別れさせたり、直葬のときに家族とのお別れスペースを提供するサービスもあります。

 さきに直葬のデメリットとして「火葬だけで見送るので、遺族が故人の死を受け入れにくく、精神的ダメージをひきずることもある」ことをあげましたが、このサービスはそのデメリットを解消し、家族が故人とゆっくりお別れできます。提供される部屋にはキッチン付き、故人の好きだった料理など作り、最期に家族水入らずに食事をして送りだすことができます。新たな形のホスピタリティーで、これからも目新しいサービスがどんどん登場してきそうです。

【書き方サンプル】葬式についての希望(2)

・葬式について
希望するスタイル:家族葬
場所:菩提寺
  (名称)○○寺
  (住所)東京都新宿区○○X-X-X  (電話・FAX)XXXX-XXX-XXX
予約:住職さんにはお話ししてあります。
【備考】菩提寺で家族で送ってください。SさんとMさんも呼んでください。連絡先は別リストにしてあります。

[記入日 ○○年○月○日]

 

連絡してほしい人のリスト

 エンディングノートには、危篤の時に連絡してほしい人やお葬式に来てもらいたい人などを一覧にした「もしものときの連絡リスト」を付けることをおすすめします。既製品のエンディングノートには、どれにもついています。

 いくら家族でも、自分の方の親戚や、仲良くしていた友人が誰なのかまでは、知らないことも多いものです。

 親戚や親しい友人など、その人といつ最後のお別れをしたいのか、どのタイミングで連絡してほしいかのかの希望を連絡先に添えて書きます。このリストは普段の生活でも、住所録や年賀状の整理にも重宝します。

【書き方サンプル】もしものときの連絡リスト

もしものときの連絡リスト

[記入日 ○○年○月○日]

 

 今回は最近、良く聞かれる一般的なお葬儀事情をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。次回はお葬儀のの費用についてお話しします。

 

コトダマ物語&コトダマ・レター選集1

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