「に」と「を」の違い~あるいは魂を言葉で伝えることの難しさ

photo credit: Scott Hudson * via photopin cc

憲法前文「『に』を『を』に」 変更求める石原氏に首相「どうか『忍』の一字で…」

 ……質問を志願したという石原氏が取り上げたのは憲法の前文。作家でもある石原氏は「諸国民の公正と信義『に』信頼して…」の部分について、正しくは「信義『を』信頼…」だと指摘。「間違った助詞の一字だけでも変えたい。それがアリの一穴となり、自主憲法の制定につながる」と訴えた。

 安倍晋三首相は石原氏の違和感に同意。「一字であっても変えるには憲法改正が伴う。『に』の一字だが、どうか『忍』の一字で…」と述べ、笑いを誘った。

 

 先日必要があってネットで翻訳関連の調べものをしていたときに、たまたま一ヶ月ほど前のこの話題についてのいくつかの記事を目にした。

 ちょっと気になったのでいろいろ調べてみると、わたしが見た限りではどれも「日本語の正しさ(または英文原案の翻訳の正しさ)に問題をすり替えるのはおかしい」とか「そもそも石原氏が『日本語の正しさ』を問題にするのはお門違い(つまり自身の日本語はどうなのか)」という論点に矛先を向けているようだ。

 わたしはそれは少し論点がズレていると思ったので、メモ書きしておく。

続きを読む