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「死んだらお墓はいらない」今、“ゼロ死”を選ぶ人が増えている

 3日放送のフジテレビ『ノンストップ!』は、「新たな終活」として注目される”ゼロ死”を特集。

 ゼロ死とは、葬式をあげない「ゼロ葬式」、遺骨を残さず墓を持たない「ゼロ墓」をあわせた考え方。

 エンディングコンサルタント・佐々木悦子さんは、ゼロ死について「ここ2~3年で相談者が急増している。」と、語った。

 あまり一般的な考え方のように思われない「ゼロ死」だが、全国の葬儀社を対象に行った最近の調査では、請け負った葬儀の中で「ゼロ死」の割合は、なんと22.3%。MC設楽統は「5人に1人は、結構多い」と驚いた様子を見せた。

 佐々木さんは「以前は、経済的な理由でお葬式をやらないケースが多かったが、今は、死ぬ自分に使うお金があったら、残された人たちに多くお金を残していきたいという現実的な考え方から、価値観で選ぶ方が増えてきている」と語った。

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photo credit: benoit_d via photopin cc

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若い世代ほど「霊魂」を信じている

 前回の記事で、鈴木岩弓東北大学大学院教授のグループが2011年に実施した『お墓に関する意識調査』のデータを紹介したが、同調査には他にも興味深い項目がある。現代人の「霊魂観」「供養意識」に関する項目だ。

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葬儀の現代的意味について~“生者の魂”に対する気遣いとしての葬儀

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無宗教で弔うこと(大野左紀子)

……(前略)……

 私と夫は、遺骨の一部を「不老会」の共同墓地に入れてもらうようにしたらどうかと母に言っている。そうすれば、命日には家族でお参りできるから。私も曖昧な無宗教者の一人だが、父の遺骨に向かって手を合わせたいような気がする。というか、そういう気持ちになった時に何もないのは、少し寂しいような気がする。

 墓に向かって話しかけても、聞いてくれる人はいない。身体を持たない魂だけが、そこにフワフワ浮いているということなどない。けれども逆に、そこにいない、かたちのないものに向かって語りかけるという、普通なら到底できないような行為をするために、先人の作り出した葬儀の形式というものがあるのかもしれない。

 眼を閉じて手を合わせ祈るという所作をした時だけ、そこに亡き人の魂が現れる。そう思ってみることが、残された者の心を少しは救うのかもしれない。


 前回の記事で天武天皇の葬儀(殯宮儀礼)についてふれた。

 天武天皇の殯宮儀礼は2年以上に及ぶ壮大なものだったが、次の持統天皇以降は仏教の影響のもと火葬が取り入れられ簡素化に向かっていく。

 だから、近年の葬儀の簡素化の趨勢はじつは1300年以上から始まった、としたり顔で言いたいわけではない。ただ、葬儀の意味について改めて考えさせられたので、書き留めておくことにした次第である。

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ペットとお墓でも一緒 合葬できる墓地広がる

 ペットの遺骨と一緒に納められる墓が人気を集めている。核家族化で老後の孤独感が深まる中、ペットを家族の一員として大切に飼ってきたお年寄りが、あの世でもそばにいてほしいと願ったり、現役世代がペットの供養の場を探したり、それぞれの事情があるようだ。

 「家族同然でした。きちんと供養してあげたくて」。15年飼った雌のシーズー犬「リリー」を5年前に亡くした阿部直也さん(74)。月2回以上、欠かさずに隣の福津市にある自宅から車で40分かけ墓参りする。

 会社員だった12年前、心筋梗塞で倒れて約2カ月半入院した。毎夕、リリーが玄関先で帰りを待っていると妻に聞き、胸が熱くなった。6年前に妻に先立たれてからは心の支えだった。

 リリーが病気で息を引き取ってからしばらくは、仏壇に遺骨を置いていた。その後、ペットと一緒に合葬してくれる百合ケ丘霊園のことを知り、迷わず購入。妻と先祖の遺骨も一緒に納骨した。もちろん、いずれ自分も入るつもりだ。「リリーのそばで永眠できる。あの世に逝くのが怖くなくなりました」。死への準備を済ませ、心は穏やかだ。

 ……(中略)……

 西南学院大の宮原哲教授(コミュニケーション学)は「バーチャル(仮想現実)な人間関係で、いくらネット上での『友だち』が増えても真に心を共有できる友人は増えない。気持ちを分かり合える相手がいないという人間への不信感の裏返しが、ペットへの深い愛情になっている」と分析する。

 人間関係の隙間を埋める存在として、ペットの「家族化」はますます進みそうだ。

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The approach and cluster amaryllis of moss (Japanese scenery photograph wallpaper)

The approach and cluster amaryllis of moss
(Japanese scenery photograph wallpaper)

「タマシイの交流」としての弔い

 「死」は宗教の源泉であるが、「死者」の扱いは宗教によって様々である。

 西方のキリスト教文化やイスラム教文化では死者の処遇は神の管轄になるので、生者が与り知るところではない。神の裁きによって復活し永遠の命を得ることを祈るのみである。

 東アジアの宗教文化は、もともと「先祖崇拝」の伝統をもつ。死者(先祖霊)は本来的に神(天)に近い存在であり、生者(子孫)を救う側にある。それはときに尊崇の対象であり、ときに畏怖の対象である。ゆえに、死者(先祖)の弔いとは守護霊としての祖霊を畏れ敬うことであり、そのご加護を祈願することである。

 それに対し仏教では、死者は救われる側に位置づけられる。それは慈悲の対象であり、憐情の対象である。ゆえに、死者の弔いとは追善供養、追善回向によって輪廻転生の中で苦しみもがいている死者に自らの功徳を施すことである。

 このように死者の置かれた境遇は対極的ではあるが、いずれにしても死者のタマシイは現世とは別次元の霊的次元に存在する。そして弔いとは、その霊的次元との交流であり、死者のタマシイとのコミュニケーションである。ただし、このタマシイとのコミュニケーションには、ある特別の資格をもつ仲介者とそれによって執り行われる宗教的儀礼が必要である。

 ここで注目したいのは、この形式が現代的な感覚に合わなくなりつつあるのではないか、ということである。少なくとも、死者を弔うにしても、他者が介入しない、もっと直接的なタマシイの交流がありえてよいのではないのか。弔いのあり方はそれぞれの文化の文字通り「タマシイ」であるので、伝統は尊重しなければならないが、現代的な文脈に即した文化的オプションもあってよいはずである。

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新潟市で開かれた篤志解剖全国連合会の実務担当者研修会(出典:NPO法人宮崎自殺センターを応援したい 2010.10.29)

新潟市で開かれた篤志解剖全国連合会の実務担当者研修会(出典:NPO法人宮崎自殺センターを応援したい 2010.10.29)

献体希望の高齢者増える 死の迎え方、自ら選ぶ 「家族に迷惑掛けない」

 「医学の発展に役立ててほしい」と、死後の自分の体を大学医学部などに提供するための献体登録をする高齢者が増えている。「人生の最期に社会貢献できる」制度として知られるようになったほか、死の迎え方をめぐって個人の意思を優先し、葬儀や墓にこだわらない傾向が強まっていることも一因のようだ。

 献体運動を進める「篤志解剖全国連合会」(東京)が全国約100大学の協力を得て調査、1970年度から献体登録者は今年3月末で累計25万人を超える。

 現在の登録者は推定約15万人。毎年3500人前後が解剖されているが、主に高齢者からなる5千人前後の新規登録によって年々増加。新規登録をストップする大学もあるという。

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6000円以上の赤系口紅が特に人気(出典:SankeiBiz

6000円以上の赤系口紅が特に人気
(出典:SankeiBiz)

アベノミクス効果?美意識は口元にも リップなど高単価商品が好調

 口紅や歯みがき粉など口元の美容に関する市場が活況だ。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による景気浮揚感の後押しもあり、美意識は口元まで波及。瞳を大きく見せるためのマスカラやアイライナーなど目元メークへの関心が一巡したこともあり、唇を美しく見せるリップや歯を白くするホワイトニング(着色汚れ落とし)成分配合の高機能歯みがき粉が好調な売れ行きを見せている。

「口紅は前年比で2桁増で売れています。特に赤系の色は品切れが出るほど」

 都内百貨店の化粧品売り場の担当者はこう語る。実際、経済産業省の今年度上期(4~9月)の化学工業統計によると、化粧品目別の増減率ではファンデーション(前年同期比3.0%増)やアイメークアップ(6.5%減)に比べ、口紅(12.1%増)やリップクリーム(25.5%増)など唇向けの化粧品は大幅な伸びを示している。

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photo credit: NatalieMaynor via photopin cc

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ペットの葬儀、多様化

 家族の大切な一員として、ともに暮らしたペットとも別れの時は来る。手厚く葬りたいという人が増え、葬儀は多様化している。

 1921(大正10)年からペットを供養する東京都府中市浅間町の「慈恵院」多摩犬猫霊園を訪ねた。境内を歩くと、愛犬を連れた参拝客や、涙をぬぐう喪服姿の女性も。ペット墓地のほかロッカー形式の納骨堂があり、花や写真、使っていた食器などが飾られていた。同院渉外担当の藤森一登さん(48)は「毎日お参りに来る方もいらっしゃいます」と話す。

 ……(中略)……

 広報担当の杉崎哲哉さん(49)によると「以前はほとんどが合同葬でしたが、現在は2割の方が立ち会い葬を、3割の方が個別葬を選ぶ」という。僧侶が読経し、戒名に準じたものを渡す。「家族の一員として、人と同じように弔いたい」という要望は年々高まり、ひつぎに愛用の品を入れたり花を手向けたりする飼い主が多いという。

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ロケット花火(出典:GANREF; photo by 帆印

ロケット花火
(出典:GANREF; photo by 帆印)

新しい時代の葬儀のかたち!? 「宇宙葬」に法的な問題はないか?

 「宇宙葬」には法的な問題はないのだろうか。宇宙に関する法にくわしい作花知志弁護士に聞いた。

 「埋葬については、『墓地、埋葬等に関する法律』が、『埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない』と定めています。また、刑法には『遺骨遺棄罪』(刑法190条)の規定があり、遺骨を不適切に遺棄した人は処罰されます。それらの法律が存在していることから、墓地での埋葬を行わずに散骨する行為は、従来、一般的には『違法となる』と受け止められていました」

 「1990年代に入ると、日本では、遺灰を海や山にまく、いわゆる『自然葬』をしたいという希望が増え、実際に自然葬を行う会社も登場しました。法務省も『葬送の一つとして節度をもって行われる限り、遺骨遺棄罪には当たらない』という立場だとされています」

 「近時始まった『宇宙葬サービス』の内容は、アメリカの会社が人工衛星に入れた遺骨を宇宙に送り、数カ月から1年で人工衛星が大気圏に再突入し、流れ星となって燃え尽きるというものです。特に節度を逸したものではなく、むしろ新しい時代の、新しい形の自然葬とも言えるでしょう」

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ストックホルムの Woodland Cemetery に埋葬されるグレタ・ガルボの遺灰(出典:ggarbo.weebly.com)

ストックホルムの Woodland Cemetery に埋葬されるグレタ・ガルボの遺灰
(出典:ggarbo.weebly.com)

終活:「弔う場所」火葬場考/中 緑あふれる欧州施設 中国では大問題に

―先生は海外の火葬場や墓地も現地調査しておられます。印象的なのはどこですか。

 印象的な場所はやはり、スウェーデン・ストックホルム南部にある「森の火葬場」ですかね。102ヘクタールの広大な緑地の中に墓地があり、約8万5000基の墓に30万人が埋葬されています。その墓地の中に火葬場もある。目を見張る美しさで市民に愛され、世界遺産にも登録されています。欧州の施設の特徴は自然を大事にしているということですね。調和を考え設計されています。

……(中略)……

―会葬はどんな雰囲気なんですか。

 「森の火葬場」では、ろうそくとたくさんの花で飾られた霊きゅう台のうえにひつぎが載せてあって、その周囲に遺族は集まる。台はリフトになっているので、告別式が終われば、ひつぎがまるで埋葬されるように地下に降りていきます。会葬者はここで帰ります。日本のように炉前ホールで最後のお別れをしたり、拾骨は通常しません。宗教的な理由で特別にお願いすればその先にも行けるそうですが。ここでは半分の人はミンネスルンド(墓碑がない墓地)に職員の手でまかれ、残りは家族墓などに埋葬することになっています。

(東京電機大学の八木澤壯一・名誉教授へのインタビュー)

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仮装行列のような参列者たち(出所:らばQ)

仮装行列のような参列者たち
(出所:らばQ)

お葬式なのに参列者はマリオやスターウォーズのコスプレ…故人の希望でにぎやかなものに

 イギリス中部のニューカッスルで、ゲイリー・パティソンさん(42)が交通事故で亡くなり、しめやかに……ではなく、にぎやかに葬儀が執り行われました。

 参列者の多くがコスプレ姿だったというから驚きですが、亡くなったゲイリーさんの生前の希望だったとのことです。

 参列者は250人にも上ったそうですが、悲しく送られるよりも陽気に送ってほしいという、ゲイリーさんの人柄が伝わってきます。

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”桜の木&LOVE”のお墓(出所:朝日新聞デジタル)

”桜の木&LOVE”のお墓
(出所:朝日新聞デジタル)

LOVEの文字・ピアノ型… 個性的な墓、増えてます

 秋のお彼岸。最近、墓地の様子が変わってきた。黒や灰色の石に「○○家」と彫るのが当たり前だったお墓に、個性的なデザインが増えている。思い出の桜の木を刻んだり、ピアノの形にしたり。「故人らしいお墓にしたい」。そんな家族らの思いが込められている。

 「お父さん、来たよ」。静岡県富士宮市の霊園。山脇作栄(さくえ)さん(71)は、昨年9月に亡くなった夫繁男さん(享年78)の墓に話しかけた。傍らでは、長男の康知(こうじ)さん(44)と妻の恵理子さん(44)が笑顔で語り合い、手を合わせた。

 繁男さんの墓は、周囲に立ち並ぶ墓と少し異なる。墓石にはピンク色が鮮やかな桜の木の絵と、LOVEの文字。足元の敷石には、クローバーをあしらった。

 「義父らしくしたい」と恵理子さんが考えた。作栄さんや康知さんから、昔よく通ったと聞いた東京・上野公園の桜。クローバーは同居していた自宅の庭に、あふれんばかりに生えている。

 石材店と打ち合わせを重ね、約2カ月かけて完成させた。「みんなが集まり、義父の思い出話に花が咲く場所にしたかった」と恵理子さん。昨年12月の納骨後、毎月1度は家族で訪れているという。

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スーダラ節にレーザー光線…[トホホな葬式]体験談(出所:日刊SPA!)

スーダラ節にレーザー光線…[トホホな葬式]体験談
(出所:日刊SPA!)

スーダラ節にレーザー光線…[トホホな葬式]体験談

 しめやかに執り行われるはずのお葬式も、ひとつ間違うとビミョーなことに。

 「友人のお父さんのお葬式のBGMが植木等の『スーダラ節』だった。いくら故人のカラオケの十八番だったからって、場違い感は否めなかった」(46歳・女)

 大往生ならそれもいいけど、若くして亡くなった場合はシャレにならない。

 「27歳で過労死した友人の葬儀がトンデモなかった。司会者は妙に流暢で演歌の曲紹介みたいな調子。出棺の際はスモークにレーザーが乱舞、『これより黄泉の国に旅立ちます』とのアナウンスでレールの上をお棺がスルスル……」(48歳・男)とは、演出過剰もいいところ。

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ゴルフボール型骨壷(出所:朝日新聞デジタル)

ゴルフボール型骨壷
(出所:朝日新聞デジタル)

おしゃれな葬儀・供養用品で故人を偲ぶ

 昨今では新しい葬儀・供養の形が急速に増えています。その新しい価値観に合わせるように、続々と新しい商品が開発されています。とくに最近では、遺骨を身近において故人を偲びたいというご要望から、分骨壺・遺骨アクセサリーといった手元供養商品の需要が高まっています。当店ではデザイン豊かな陶器製・ガラス製ミニ分骨壺や、ペンダント型遺骨ケースなど、お客さまのさまざまなご希望に対応できるよう従来の価値観にとらわれない商品選定を意識的に行っております。
 ユニークなところでは、スポーツを愛用していた故人のために野球ボール型・ゴルフボール型・ラグビーボール型・サッカーボール型などのスポーツシリーズ骨壺もあるんですよ。
 (湘南仁成社/村上淳さん)

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自動搬送式納骨堂(出所:日経トレンディネット)

自動搬送式納骨堂
(出所:日経トレンディネット)

樹林墓地、ロッカー式納骨堂…進化した“終活”の最新事情

 エンディングビジネスが乱世に突入している。2012年の人口動態統計では、死亡者数が過去最多を記録し、日本の死亡者数は40年まで増えていく見通しだ。昨年の「流行語大賞」トップ10には「終活」がノミネートされ、イオンが各店舗で開催した終活セミナーには年間約2万人が参加するなど、人々の終活への関心も高まる一方だ。

 旅行大手のクラブツーリズムも、昨年に終活講座を開講し、都内の納骨堂見学ツアーも実施。今年9月からは、規模を拡大して開講する。さらに、インターネットプロバイダーのニフティは6月に“終活サイト”をオープンし、葬儀や墓、遺品整理などの業者と連携。資料請求や見積もり依頼などのサービスを提供するなど、終活には、業界の内外からも熱視線が注がれている。

 終活の根幹をなすのは、生前に葬儀や墓などの準備をしておくこと。葬儀は、異業種の参入が相次ぎ競争が激化する一方、「“供養産業”といわれる墓、葬儀、仏具のなかで最も成熟していなかったのが墓。だがここ数年、多様化が明確になってきたと感じる」と言う業界関係者もいる。変化を続ける墓の最新事情を探った。

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イオンの永代供養

イオンの永代供養

3万5000円で納骨と供養 イオン、来月から

 イオン子会社のイオンリテール(千葉市)は三十日、寺院や霊園と協力し、三万五千円の共通料金で共同墓地などの形態で納骨と永代供養ができるサービスを九月から提供すると明らかにした。二〇一五年二月末までに七都府県の計十カ所で展開する。〇九年に葬祭事業に参入した同社は、低価格と明朗な料金体系を武器に利用者を増やしている。納骨などでも低価格の志向が強まっているとみて事業領域を広げる。

 同社のイオンライフ事業部が募集を代行し、各寺院が供養や管理などを受け持つ。同社の葬儀を利用、または予約した場合、料金をさらに五千円割り引いて三万円とする。料金には管理料などが含まれ追加費用もかからないという。

 九月から「徳純院」(東京都港区)、十月から「宝袋寺」(横浜市)でそれぞれ千人を募集。年内に名古屋市、大阪府、福岡県の寺院に広げ、来年以降は埼玉県、千葉県でも扱う計画だ。

 これまで同社は、葬儀の顧客には墓の販売や納骨を仲介してきたが、最低でも約五十万円以上の費用がかかっていた。同社の調査によると、簡素な納骨を望む人が近年増加傾向にある。家族の葬式をしたが、料金がネックとなって納骨できず自宅などで保管したままの人も目立つという。

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一般の住宅と変わらないダイニング(出所:朝日新聞デジタル)

一般の住宅と変わらないダイニング
(出所:朝日新聞デジタル)

一軒家にしか見えない葬儀場 「ゆっくりお別れできる」

 一見、ごく普通の一軒家にしか見えない住宅風の葬儀場が増えている。くつろげる空間で、ゆっくりと故人を送りたい――。そんな思いを持つ人に受け入れられている。

 西日本典礼(本社・福岡市)が3月、福岡県太宰府市に新たに設けた「都府楼 清浄庵(あん)」。木造2階建て242平方メートルで、道路に面した看板がなければ、大きな住宅にしか見えない。

 1階の約20畳の和室が「式場」になり、祭壇が置かれる。すぐ隣にはダイニング、2階へ上がると、キッチンとリビングがある。ベッド2台が置かれた洋室や和室、浴室も。葬儀は1日に1組。同社の平島絵美子さん(33)は「寝泊まりでき、通夜から葬儀にかけて自宅のように使える。故人とゆっくりお別れができる」と言う。

 同社が住宅風の葬儀場を開いたのは、福岡市南区の「平和 清浄庵」に続き2カ所目。こちらは昨年9月の開館から50件の利用があった。利用者からは「他の家族と顔を合わせなくてすむのでいい」といった声が寄せられているといい、同社では今後、同様の式場を増やしたい考えだ。

 同様の葬儀場は各地で広まっている。

 住宅風葬儀場が受け入れられる背景について、日本葬送文化学会の前会長、八木澤壮一・東京電機大名誉教授は「人間関係の変化や長寿化で、特に2000年以降、葬儀は自分で生前に用意しておくものになった。その結果、『なるべく質素に家族だけで』となってきた。邸宅葬は、そんなニーズに合っている」とみる。

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葬儀費用の平均(出所:YOMIURI ONLINE)

葬儀費用の平均
(出所:YOMIURI ONLINE)

突然の喪主 慌てぬために

 日本消費者協会のアンケート調査(2010年)によると、葬式費用の全国平均は199万9000円。形式は仏式が約90%を占め、葬式の場所は、葬祭センターなどの葬儀専用の式場が約75%だった。費用は、地域や参列者数、祭壇の豪華さなどにより変わるが、目安になりそうだ。

 金額の内訳は、「葬儀一式費用」「飲食接待費用」「寺院への費用」で、葬式にかかる費用のほぼすべてが含まれている。「葬儀一式費用」は、通夜や告別式、火葬などの費用で、同協会のアンケートでは、全国平均が126万7000円となっている。

 「飲食接待費用」は、通夜や火葬後の会食で出す料理や、参列者への返礼品など。アンケートでは全国平均が45万5000円。「寺院への費用」は、読経や戒名に対する僧侶へのお布施で、全国平均は51万4000円だった。

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「葬儀の簡素化」の背後にある「脱儒教的」「仏教回帰的」死生観

[中国ブログ]葬儀を通じて感じた「日本とわが国の死生観の違い」

 冠婚葬祭の習慣は国や地域によってさまざまだ。日本での喪服の色は「黒」であることが普通だが、中国では「白」であることが普通だ。また、国土の広い中国では地域によって違いはあるが、死者があの世で困らないよう紙製の銭を燃やして供養する。

 中国人ブロガーの海玲在日本(ハンドルネーム)さんは、日本で葬儀に参加した折に日中の葬儀を巡る習慣や死生観の違いを感じたという。

 生死観は国や文化によってさまざまなだが、人が亡くなるということは悲しいことであることに違いはない。筆者も長年の付き合いがあった日本人女性が亡くなり、とても悲しかったようだ。

 悲しみを引きずりながら葬儀に出席したという筆者は、火葬後のお骨を係員の説明を受けながら箸で骨壺に入れる儀式も含め、すべてが初めての経験だったそうだ。

 筆者は、葬儀に出席する前は故人を思い出しては涙が出たそうだが、一連の葬式を通じて「無常」を感じたという。そして「落ち着きを取り戻し、人生を前向きにとらえられた」という。

 日本の葬式に参加し、筆者が感じた日中間の違いは「死生観」だそうだ。筆者によると中国では死を語るのはタブーとされているが、日本では「死に支度」という言葉があるほど淡々と死を受け入れていることに驚きを隠せない様子だ。「多くの人が日本人の死生観を桜(さくら)の花で表現するのも間違いではなさそうだ」と感想を綴った。

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人生のエンディングをどうするか。「終活」に注目が集まっている。(出所:zakzak)

人生のエンディングをどうするか。「終活」に注目が集まっている。(出所:zakzak)

団塊世代の高齢化で「終活」がブームに 新たな問題も浮上

 生前から葬儀や埋葬、人生の閉じ方の準備を進める「終活」が“ブーム”だ。自分らしいエンディングへの意識が高まっている背景には、消費をリードしてきた団塊世代の高齢化がある。形式より気持ちを重視する流れのなかで最期のあり方も多様化し、新たな問題も浮上した。いつか迎える「その時」のために、どのような備えが必要なのか。

 ごく近い身内だけの「家族葬」、火葬場で荼毘(だび)に付すだけの「直葬」…。葬儀の簡素化が進んでいる。日本消費者協会が2010年に行った最新の調査によると、葬儀費用の総額は全国平均で199万8000円。前回、07年の231万円より約30万円下落した。

 隣近所の仕切り、葬儀会社の提案に任せていた葬儀のあり方に疑問を感じる人が増加。簡素化、低コスト化が進んだとみられる。

 葬儀の形骸化は緩和されつつあるものの、新たな問題も生じた。

 「直葬の場合、後になって親族や知人が『なぜ葬式をしなかったのか』とくちばしをはさみ、混乱するケースがある。遺族が『故人の強い希望です』と、毅然と対応できるよう、自分の意向はしっかり伝えておかなければならない」(大宮氏)

 以前は、残された家族に思いを伝える手段は遺言書しかなかった。現在は、法的な効力はないものの、より気軽に希望をつづっておける「エンディングノート」が登場し、専門のコーナーを設けた書店もある。11年に同名の映画が公開され、普及のきっかけになった。

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