『恍惚の人』(東宝,1973年)

『恍惚の人』(東宝,1973年)(出典:ameblo.jp/showa-retoro/)

有吉佐和子さんブーム再び…「おしゃれ」「快活」新たな一面

 作家の有吉佐和子さんが亡くなって今年で30年。

 初の長編『処女連トウ(れんとう)』をはじめ“月刊有吉”のペースで復刊している。戦後の働く女性を描く初期作品は、娘で作家の有吉玉青(たまお)さんが「わたしのなかの母に近い」というおしゃれで快活、たくましい作品。再ブームにより、社会派という従来のイメージにかわる新しい有吉像が生まれようとしている。

 今年は作家の有吉佐和子さんが亡くなって30年になります。それを記念して有吉さんの初期の作品が続々復刊されるようです。

 言うまでもなく有吉さんは現代日本を代表する作家の一人ですが、わたしのイメージでは、その時々の時代背景と女性の生き方のつながりを描くことに関しては他の追随を許さない傑出した洞察力のある作家、です。

 その意味ではまさしく「社会派」作家だったと思いますが、復刊される初期の作品群は仕事を持って自立して生きていこうとする女性の等身大の姿を描くものが多いそうです。これはあの『アナと雪の女王』の「ありのー ままのー すがたみーせるーのよ~♪」の時代ムードにぴったりですよね。面白そうなので今度ぜひ読もうと思っています。

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六車由実 民俗学が介護と出会うとき(出典:NHK福祉ポータル ハートネット)

六車由実 民俗学が介護と出会うとき
(出典:NHK福祉ポータル ハートネット)

 先日、コトダマの里をかねてよりご支援いただいている方から、六車由実さんの『驚きの介護民俗学』という本を知っているか、というメールをいただきました。

 じつはこの本はコトダマの里を2012年に始めた当初参考にした本の一つで、当時大変感銘を受けました。今回問い合わせいただいたのを機会に改めてご紹介しておきたいと思います。

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アザラシ型ロボットの「パロ」くん(出所:アピタル)

アザラシ型ロボットの「パロ」くん(出所:アピタル)

いやし系ロボットが高齢者住宅問題を救う

 写真は、2010年から大和ハウス工業が販売しているアザラシ型ロボットの「パロ」くん。癒し系のロボットで、おしゃぶりに見えるのが充電器だ。この時はコンセントに繋がって休んでいた。でも、ミルクを飲んでいるように動くんですね。撫でたり呼びかけたりすることで、反応して鳴いたり、まばたきをしたり。愛くるしい動きで、高齢者を癒やすペット型ロボットである。このあどけない表情からは想像できないが、ギネスブックで認定された「世界で最もセラピー効果のあるロボット」だそうです。

 さて、本題に戻って高齢者とICT化である。
 パロくんが発する音声とのやりとりで、例えば「薬を飲んだか」とか「今日の気分はどうか」など、特に独居の老人の生活状況を記録し、その状況を家族や介護、看護師と共有することで、介護現場の効率や質向上が見込まれるのではないだろうか、と思った次第だ。

 機器にデータを入力していくのではなく、気がついたら情報が記録されていた、コミュニケーションの窓口になっていた、というのがインターフェースの一つの理想だと言える。パロくんなら例えば、「ご家族から電話ですクー」などと話ながら、孫からの電話の声が、パロくんの口から聞こえてくるといったこともできるかもしれない。

 少し違和感があるかな? もう少し研究が必要ですね。

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「介護に備える」ということの意味

「介護に備える」ということの意味

5人に1人は要介護、自己負担額は月3万~5万円

 「見えないところで山のようにおカネがかかる」。20年にわたり祖母の介護を在宅で続ける50代男性はため息をつく。介護はこれからいくらかかるか、いつまで続くか──。子育て費用と違い、介護のおカネは見えにくい。
 介護費用を手当てする基本となるのは自己資金、そして公的介護保険を柱とする社会保障だ。
 介護費用の自己負担は「月3万~5万円が目安」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの山田静江さん。介護保険でサービスを受けると、自己負担は1割。これに全額自己負担となる介護サービスを頼んだ場合の合計額だ。
 では介護期間はどのくらいか。生命保険文化センター調査によると、平均介護期間は4年7カ月。年間60万円と仮定すると、約5年で300万円。そこで「介護費用として、1人300万円をめどに準備しておくといい」(山田さん)。
 一方、介護に必要な資金を保険金や年金形式で保障する民間の介護保険がある。将来の介護費用の準備に民間介護保険を活用すべきだろうか。ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓さんに話を聞いた。
 内藤さんは、「介護費用は貯蓄で備えるべきだ」と強調する。誰もが要介護状態になるわけではない上、民間介護保険は「要介護2」など保険会社が定める介護状態にならないと保障を受け取れない。これらを考慮すると、「保険より貯蓄で用意する方が合理的」というのが内藤さんの考えだ。

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訪問介護による生活援助

訪問介護による生活援助

みずほ「介護保険」販売、大手行で初

 みずほ銀行は11月から、公的な介護サービス利用にかかる費用などをまかなう民間保険会社の「介護保険」を大手銀行で初めて全国の本支店で販売する。
 公的介護保険で介護が必要と認定される人は、大幅に増えることが見込まれるのに対し、保険会社の「介護保険」の加入率は10%未満にとどまり、今後、市場の拡大が見込める。
 みずほ銀行が取り扱うのは、朝日生命保険が4月に販売を開始した商品。公的介護保険で要介護度1以上に認定されれば保険金を支払うなど、分かりやすい保険内容にしたのが特徴だ。
 銀行の顧客層は、介護負担に関心の高い40~60歳代が多いため、両社が連携することで販売増が見込めると判断した。

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"介護施設のチェック"の前に考えるべきこと

“介護施設のチェック”の前に考えるべきこと

高齢者介護施設 どの施設がいいかチェックポイント7つ紹介

 全国で約530万人が介護認定を受け、認知症の人は推計約305万人にのぼる高齢社会ニッポン。「なんだかんだいっても、介護は娘、嫁、妻が負っている」(主婦・62才)、「介護のせいで派遣の仕事を辞めた」(主婦・43才)など不満が渦巻くなか、頼った施設がこの世の地獄だったという話も増えている。
 絶対に間違えたくない介護施設選び。見学に行ったときのチェックポイントは以下のとおり。
 【衛生面】
 ・においはひどくないか
 ・玄関などの造花にほこりがたまっていないか
 ・トイレに黒ずみはないか
 【サービス内容】
 ・経営理念に共感できるか
  地域説明会や勉強会で経営者と会う。
 ・現場の人は理念を共有してるか
  施設長などスタッフと話をしてみる。
 ・ケアプランに納得できるか
  「名前を伏せてケアプランを見せてください」と聞いてみる。ただし個人情報なので断られる場合もある。
 ・最期まで住めるか
  看取りの件数や様子を聞いてみる。

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"毎年1千万人増加"中国の高齢化

“毎年1千万人増加”中国の高齢化

日本の介護システム、老人介護の市場規模拡大の中国で拡販

 中国第6回全国人口調査によると、人口世界一の中国では毎年約1000万人のペースで高齢者が増加する勢いとなっている。中国政府では急速な高齢化に対応するため、第12次5ヶ年計画で老人介護事業への積極的な投資を行い、介護施設の増強と介護サービスレベルを向上。これに伴い、老人介護の市場規模も、2020年までに5000億元(約6兆5000億円)まで拡大すると予測されている。
 このような中、日立システムズは、介護事業者向け業務パッケージ「GNEXT養老事業管理システム」を中国の上海市で10月末より販売を開始。上海万序と協業し、上海市の介護施設や中国に進出する日系の介護事業者向けに、同システムを拡販する。
 長寿大国である日本の介護システムはここ数年、飛躍的な進化を遂げている。日本品質のきめ細かな介護サービスは、現在、注目を集めており、今後も世界的な進出を遂げる可能性の大きな分野であると考えられる。

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パナソニックが開発したベッド型ロボット「ロボティックベッド」

パナソニックが開発したベッド型ロボット「ロボティックベッド」

介護ロボット

 介護や福祉の分野で活躍する先端機器(介護ロボット)に注目が集まっている。神奈川県は8月下旬から、実用型ロボットの普及推進事業を本格化させる。ロボットを配備した2施設を「ショーウインドー」に位置づけ、現場を公開することで普及を促す考えだ。
 国の成長戦略にも盛り込まれている分野だが、神奈川はその先端を走る条件が整っている。黒岩祐治知事が口にする「神奈川モデル」という考え方にうまくマッチするはずだ。普及策に実効性とスピード感を期待したい。
 神奈川がモデルケースに適している理由の一つは、全国を上回るペースで高齢化が進んでいる点だ。もともと日本は先進国の中でも介護に携わる人材が不足しているが、とりわけ神奈川では対策が急務といえる。
 もう一つは新産業創出という側面だ。神奈川は「ものづくり」の基盤が厚いが、それを支えてきた自動車や電機、機械などの産業は円高で疲弊している。介護ロボットはその代替のひとつになり得るはずだ。
 経済産業省の予測によると、介護ロボット市場は2015年の170億円から20年後には4千億円を超えるまでに急成長すると見込まれている。介護保険の適用対象にすることも検討されており、ニーズは高まっている。

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認知症]長寿国の現実(4)仕事、家族失う働き盛り

 タタタタタン――。昼食に使うキャベツを千切りする包丁の音が、東京都内のデイサービスセンターの室内に響き渡る。「1秒に何回切れるの?」。速さに感心した認知症の高齢者の質問に、「30万回だよ」。冗談で答える男性(57)もまた、認知症の本人だ。
 東京・銀座の仏料理店などで料理人として腕を磨き、51歳の時、念願の自分の店を持った。だが、その直後に異変が表れた。ドライブやサーフィンを楽しむ行動派だったのに、やる気が出ず、疲れも取れない。うつ病を疑った。
 妻の勧めで受診したところ、54歳の時に若年性のアルツハイマー型認知症と診断された。思いもよらぬ結果に驚き、「仕事のこと、子供のこと、一体どうなるのかと頭がパニックになった」という。

 それから人生が一変。周囲に諭されて店を畳み、数百万円の借金返済のために妻が働いて家計を支えた。しかし、疲れ切って追い詰められた妻の求めで、今年に入って離婚。2人の子供は妻が引き取った。
 現在は生活保護を受けながら、ボランティアとして料理の腕を振るう。だが最近は、調理の段取りを考えるのが難しくなってきた。「車の免許も何もかも取り上げられたけど、妻や子供に迷惑はかけたくない。先のことはあまり考えないようにしている」と男性は話す。

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[認知症]長寿国の現実(3)成年後見、量も質も不足

 成年後見制度は、高齢者の判断力の低下部分を補い、できるだけ自立した生活を送ることができるようにと導入された。だが、認知症高齢者が少なくとも200万人を数え、独り暮らしの人も増加する中、量も質も追いついていない。

 東京都内の80歳代の女性は2002年、あるNPOと「任意後見契約」を結んだ。将来、判断力が落ちた時に後見人になってもらうためだ。
 生活の見守り支援を受ける契約も結び、少なくとも170万円余りを預けていた。後に女性は軽度の認知症になったが、こうした支援があれば普通に暮らせるはずだった。
 だが約束は果たされなかった。08年、行政側が確認したアパートの一室には腐った食べ物が散乱、尿の臭いがこもる中に女性が座り込んでいた。預金が数万円単位で頻繁に引き出されていたが、女性には何のためか分からない。健康状態も悪化していた。
 弁護士らが協力してNPOとの契約を解除、社会福祉士が後見することになった。女性は今、グループホームで暮らすが、社会福祉士は「もう少し早く支援が受けられればこんな目に遭わせなかったのに」と思う。

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