photo credit: Tambako the Jaguar via photopin cc

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駅員への暴力「60代以上」がトップ 結果にネットでは「納得」の声

 JR3社や日本民営鉄道協会らは2014年7月7日、13年度の「鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について」の統計を発表した。これは全国29の鉄道事業者で1年間に発生した暴力行為をまとめたものだ。

 13年度に発生した鉄道係員(駅員や乗務員など)への暴力行為は760件だった。加害者の年齢は「60代以上」が23.4%で、5年連続のトップとなった。ここ数年19~20%を行き来していたため、割合としては微増となる。2位の「50代」も前年度から2%増えた。両者をあわせると、中高年による暴力行為は43.4%にのぼる。

 年配者によるトラブルは、日常でもよく見かけられるようだ。ツイッターでは今回の調査結果について、

「確かに駅トラブルは、オッサン多いかも」
「分かりきってることじゃないの。駅とか電車内でマナーが悪いのは、50代60代あたり。混んでるエレベーターでも、我先に降りようとしたりね」
「空港や駅でキレて騒いでいるのって、圧倒的に50~60代が多いと思う。10~20代の若者は多少騒いだりすることがあっても、基本的にマナーがいい」

といった感想が出ている。

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Blade Runner(The Final Cut)(Amazon.com)

Blade Runner(The Final Cut)(Amazon.com)

 「我々のビジョンは“愛”を持ったロボットを作ること。感情を持った、心を持ったロボットを作りたい。」

 孫正義社長がこのように言うとき、これはロボット“の”“技術的条件”のように認識しているように思える。もしそうだとすると、それはやや的外れである。

 「心を持ったロボット」とは、言い換えれば「自我(わたし)」のあるロボットと言うことである。

 しかしロボット以前に、そもそも人間の「自我(わたし)」がそれほど定かなものではない

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Pepperと握手する孫正義社長(CNET Japan)

Pepperと握手する孫正義社長(CNET Japan)

鉄腕アトムも「心は持てない」–孫正義氏が夢見た“愛を知る”ロボット

 「今日は、もしかしたら100年後、200年後、300年後の人々が『あの日が歴史的な日だった』と記憶する日になるかもしれない。我々は人類史上初めて、ロボットに感情を与えることに挑戦する」――ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、ロボット事業への参入について、このように思いを語った。

 ……(中略)……

 ロボット開発に乗り出したきっかけについて孫氏は、「子どもの頃、胸を踊らせながら学校から慌てて見に帰ったのが鉄腕アトムのアニメ。空を飛んで百万馬力で悪者をやっつけるアトムだが、嬉しい、悲しいといった感情が分からず、涙を流せないという話があった。子どもなりにそれは可愛そうだなと思い、いつか自分たちが大人になった時に、ロボットがそういうことを理解できるようになればいいと漠然と考えていた」と思いを明かす。

 1949年に登場してから65年間、コンピュータは人々がロジカルに考えたり、情報を整理するための“左脳”の役割を担ってきたが、いずれは感情や創造性を持った“右脳”の役割も果たすようになると予想していたと孫氏は話す。「Pepperはあくまでもその第一歩だが、我々のビジョンは“愛”を持ったロボットを作ること。感情を持った、心を持ったロボットを作りたい。そのためには人の感情を理解するところから始めるべきだ」(孫氏)。

 
 ソフトバンクの孫正義社長が、例によって自信満々の笑顔で“Pepper”を紹介している映像を見て、「そうか、次に乗るべき“ビッグウェーブ”は『ロボット』なんだな」と思った人は多いだろう。少なくとも、安倍首相が老人ホームで介護ロボットを動かしてみせたりするよりずっと効果が高い。

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photo credit: RayMorris1 via photopin cc

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人口減対策:一極集中是正が急務 戦略本部設置へ

 政府が人口減少に対応する総合戦略本部を設置する方針を決めたのは、これまで府省ごとにバラバラだった人口対策を一つに束ね、人口減に歯止めをかけなければ、経済だけでなく社会保障や地方自治体も立ち行かなくなるとの危機感からだ。

 日本の人口減少はかねて予想されてきたが、対策は後手後手に回ってきた。歴代政権は「東京一極集中」の打開を掲げながら、国際競争力を優先して、地方から人材や資源を吸い上げて成長につなげてきた側面は否めない。

 地方で子どもを育てるには若者が働くための産業や雇用、住宅、生活インフラの整備・維持も課題になる。人口問題は「出産」や「育児」といった少子化対策を中心にとらえられがちだが、国土政策全体からの視点が欠かせない。

 こうした現状に警鐘を鳴らしたのが、産業界や有識者からなる「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)の提言だ。東京圏を中心とした3大都市圏に人が流入した結果、地方で子どもを産む若年層が大幅に減少し、全国1800市区町村の半分近い896自治体の「消滅」の可能性がある点を明らかにした。

 
 先日米国と日本の教育費の比較について述べたが、さにその背景を考えてみたい。

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photo credit: Life As Art via photopin cc

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出生率目標「賛成」 男性7割、女性5割強(Wの質問)

 人口減少と高齢化が急速に進む中で議論されている「政府が生まれる子どもの数値目標を設ける」ことについて、日経電子版の読者に聞いたところ、3分の2の人が「賛成」と答えた。ただ男女で違いが見られ、男性は7割が賛成したのに対し、子どもを産む当事者である女性は反対が46.4%と、賛成(53.6%)にかなり近づいた。

 賛成理由は「このまま人口が減れば国力低下どころか国が破綻する」(60代男性)といった強い危機感や、「数値目標を掲げないと女性活躍推進や待機児童解消などの施策がおざなりになりそう」(30代女性)など実効性の担保のため必要といった意見が目に付く。

 反対では「出産は個人の自由。政策で行うのは行き過ぎ」(40代男性)と個人の生き方を尊重する意見が多かった。「産めない、産まない女性にプレッシャーになる」(20代女性)懸念や、なぜ産めないのかを直視していないといった声も聞かれた。

 
 政府の有識者委員会「選択する未来」が中間報告書で求めた「50年後の人口1億人の維持」を達成するには、合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの数)を2030年までに2.07人まで回復する必要がある。1970年代に2を割り込んでからすでに40年経っているところでこの目標数値は、率直に言って「ブラック企業のノルマ」のように思える。すなわち、真面目にやろうとすると誰かが理不尽な目にあいそうである。

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photo credit: vastateparksstaff via photopin cc

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NHK長谷川経営委員の「女性は家で育児、男性は外で仕事」論に待った!(乙武洋匡)

 ……(前略)……

 NHK経営委員・長谷川三千子氏(埼玉大学名誉教授)が産経新聞に寄せたコラムには驚かされた。彼女の主張を要約すると、女性は家で子を産み育て、男性は外で働いて妻子を養うのが合理的であり、日本の少子化問題を解決するためには、「男女雇用機会均等法」以来進められてきた女性も働くことのできる社会を「誤りを反省して方向を転ずべき」だとしている。たしかにこの国が抱える少子化問題はかなり深刻な状態にあるが、出生率を上げていくためには、本当に長谷川氏が主張するように「女性が子育てをし、男性が外で働く」という時代に時計の針を戻すしかないのだろうか。

 ……(前略)……

 出生率を上げるために、まだまだ社会的に努力すべき余地は残されている。そうした側面に触れることなく、性別によって役割を固定し、人権を限定することを求めるのはあまりに愚かであると言わざるをえない。これからの私たちが目指すべきは、性別や障害の有無など、生まれついた環境や境遇によって生き方が定められることのない、成熟した社会ではないだろうか。

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日本の人口推移(出典:総務省『平成24年情報通信白書』)

日本の人口推移
(出典:総務省『平成24年情報通信白書』)

少子化は、個人と国家の間の「ケンカ」である Nick Sakai

……(前略)……

 社会保障の進んだ長寿国で、少子化が進むのは自然な流れです。誤解を恐れずに言えば、手厚すぎる社会保障は国家のマネージメントを根底から危うくする亡国の政策なのです。ちなみに、よく、介護ビジネスが成長戦略の柱だという主張がありますが、それは今まで家計が負担してきたコストを単に金銭化して市場に組み入れただけの話で、新たな価値を産んでいる訳ではないのです。タコが自分の足を食べているようなもの、粉飾決算です。

 従って、少子化を止めるには、待機児童の削減、育児休業制度の充実やイクメンの奨励といった対症療法では歯が立ちません。人間は基本的に面倒くさがり屋で、打算的な生き物ですので、精神論をいくら唱えても望み薄でしょう。もっと、根源的でシンプルなソリューションが必要になります。それは、「子供を産まないという選択を、おいしくなくする」以外にはありません。

……(後略)……

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ツイッターで話題になっているテーマ(出所:MSN産経ニュース)

ツイッターで話題になっているテーマ
(出所:MSN産経ニュース)

関心あるのは「教育・少子化」 ツイッター投稿、公示後に増加

 参院選の政策テーマに関し、今月1~6日の6日間、ツイッターの投稿件数を調べたところ、最も多かったのは「教育・少子化」で、「原発・エネルギー」が続いた。公示日の4日以降、投稿は増加傾向にあり、ネット上でも政策への関心が高まっていることを示している。

 調査は「NTTコム オンライン」社のネット分析ツール「バズファインダー」を使って、政策テーマのキーワードを設定し、投稿を収集、分析した。最も話題となったのは教育、少子化、子育てなどのキーワードを含んだ「教育・少子化」の72万7912件。2位は原発、再稼働などを含んだ「原発・エネルギー」の36万2501件だった。

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少子化白書 晩婚・晩産化進む(出所:NHK)

少子化白書 晩婚・晩産化進む
(出所:NHK)

少子化白書 晩婚・晩産化進む

 政府は、25日の閣議で、1人目の子どもを出産したときの女性の平均年齢が、おととし初めて30歳を超えるなど、「晩婚化」と共に、出産の年齢が高くなる「晩産化」が進んでいると指摘したことしの「少子化社会対策白書」を決定しました。

 閣議決定された「少子化社会対策白書」によりますと、日本人の初婚の平均年齢は、おととし平成23年は、▽男性が30.7歳、▽女性が29.0歳で、昭和55年と比較して、▽男性で2.9歳、▽女性で3.8歳、高年齢化が進んでいます。
 また、おととし、1人目の子どもを出産したときの女性の平均年齢は、前の年よりも0.2歳上昇して30.1歳となり、初めて30歳を超え、「晩婚化」と共に出産の年齢が高くなる「晩産化」が進んでいます。
 一方で、生涯未婚という人の割合は、平成22年には、▽男性が20.14%、▽女性が10.61%で、いずれも過去最高に達し、「未婚化」とともに一生結婚するつもりはないとする「非婚化」も進んでいると指摘しています。

 これについて、内閣府は「若い世代は雇用が不安定で、所得が低い傾向にあり、こうした経済的理由から結婚に踏み切れない人が増えているのではないか」と分析しています。

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教育資金贈与への関心が高まっている(出所:日経電子版)

教育資金贈与への関心が高まっている
(出所:日経電子版)

非課税に落とし穴 教育資金贈与商品の使い勝手

 孫や子に贈る教育資金の贈与税が非課税になる商品を、金融機関が相次ぎ取り扱い始めた。相続税の節税にもつながるため関心を持つ人は多い。ただ、非課税になる教育費にわかりにくい部分があるなど注意点は多い。商品の最新事情や注意点をまとめた。

 教育贈与非課税商品は4月に導入された、祖父母や親が子・孫に教育資金を贈与する際、1500万円までを非課税にする制度に基づく。開始当初は店舗があまり多くない信託銀行4行だけが扱っていたが、その後、横浜銀、千葉銀など地方銀行が参入。ここにきてメガバンクや証券会社の動きも本格化している。
 もっとも、新しい商品だけに、わかりにくい点も多い。口座を申し込む前に、それらをおさえておこう。

 指摘されている疑問は、たとえば「高校までの部活動費が非課税なのに、なぜ大学の部活動費は制限されるのか」というようなものだ。
 教育贈与非課税商品で一番気になるのは、非課税になる教育費とならない費用の区分。まずは表Aを参考にしてほしい。高校までの部活動費が非課税となる理由は「学習指導要領に定められるなど教育課程の一環だから」(文部科学省)。一方、大学の部活動は指導要領などに根拠がないため、指導者への謝礼など一部に限るという。
 教科書や参考書の費用なども注意が必要だ。学習塾で使うテキストは、学習塾で購入し、領収書を受け取った場合は非課税。ところが、一般の書店で買うと非課税にならない。下宿代や留学のための渡航費も課税される。疑問がある場合は文科省(高等教育局学生・留学生課)に問い合わせよう。

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少子化社会対策会議であいさつする安倍総理(出所:首相官邸ホームページ)

少子化社会対策会議であいさつする安倍総理
(出所:首相官邸ホームページ)

内閣の少子化対策決定 保育40万人増、「育休3年」も

 安倍内閣は7日、少子化社会対策会議を開き、「少子化危機突破のための緊急対策」を決めた。子育て支援と働き方の改革、結婚・妊娠・出産支援が3本柱。保育の受け皿を40万人分増やす「待機児童解消加速化プラン」が目玉だが、残りは既存施策の小幅な手直しが目立つ。

 対策は、内閣府の有識者会議がまとめた報告書が土台。子育て支援の核となる保育の拡充は政権が4月に成長戦略で打ち出したもの。消費増税分の一部を使って2015年度に始める保育の新制度も対策のひとつと位置づけた。働き方改革では、待機児童解消とセットで公表した「育休3年」を改めて打ち出した。

 さらに、これまで取り組みが弱かった分野として、結婚・妊娠・出産支援を3本目の柱に。出産後まもない母親の育児不安をやわらげるため、自治体の電話相談を拡充。子育て経験のある年配者らが話し相手になるモデル事業も始める。

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photo credit: Elvert Barnes via photopin cc

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「女性手帳」 育児支援がチグハグだ

 少子化対策として政府の作業部会が「生命(いのち)と女性の手帳(女性手帳)」の配布を検討中だ。他にやるべきことがあるのではないか。「育休三年」への取り組みといい、対策の発想がズレている。

 妊娠や出産についての知識を得ることも大切だろう。だが、出産をするかどうか、いつするかは個人の自由だ。政府が「早く結婚して出産を」と一方的に女性に押しつけるとしたら理解しがたい。

 晩婚・晩産化や非婚化の大きな原因は社会にある。子どもを産もうとしたとき壁が立ちはだかる。女性が一人目を産むには結婚できるかどうかが問題だ。二人目を産むには夫の子育て参加がカギを握る。三人目を産むには教育費など経済力が要る。

 若い世代は非正規社員が増え低賃金で雇用も不安定では結婚もままならない。夫の長時間勤務を是正し夫婦で子育てできる職場環境はなかなか整わない。教育への公的な支出を増やし家計への負担を減らす支援も不十分だ。

 子どもを「産まない」のではなく「産めない」社会こそが問題なのだ。その解決に腰を据えて取り組まないと次世代は育たない。

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photo credit: shootingjaydred via photopin cc

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女性手帳、どう思う? 政府の少子化対策案に批判の声

 戦前の「産めよ増やせよ」という国策への拒絶感もあり、政府が特定の家族観を個人に押しつけることは長くタブー視されてきた。

 1990年代以降、少子化対策を議論する会議が立ち上がっては、子育て支援の提言を繰り返してきた。しかし出生率は下がり続け、2005年は1・26で過去最低を更新。10年は1・39と上向いたものの、人口減に歯止めをかけるにはほど遠い水準だ。

 その背景には、未婚率や女性の平均初婚年齢、第1子平均出産年齢の上昇がある。今後、夫婦がもうける子どもの数は減っていく見通しだ。

 そこに出てきたのが女性手帳だ。森雅子少子化相が作った有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」が今月7日、配布を提案すると決めた。高齢になると妊娠しにくくなることなど妊娠・出産についての知識を広める目的で、晩産化に歯止めをかけたい狙いがある。

 この案の報道後、ネットを中心に批判が噴出。これに対し内閣府は男性への配布も検討中だと強調した。森少子化相は10日の会見で「妊娠や出産という女性の人生の選択を国が押しつけることはない」とした。手帳の創設は政府の「骨太の方針」に盛り込まれる可能性も。今夏にも会議を立ち上げ内容を吟味、来年度からの配布を検討している。

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教育費用いくらかかる?(出所:日経電子版)

教育費用いくらかかる?
(出所:日経電子版)

習い事から海外留学まで 教育資金贈与こう使え

 孫の将来にわたる教育資金として、まとまったお金を非課税で一括贈与できる制度が4月1日に始まった。信託銀行を筆頭に金融機関は専用の商品を作り、贈与資金の取り込みに力を入れている。祖父母にとっては非課税贈与で相続税を節約するだけでなく、教育資金という有意義な形でお金を孫に残せるメリットがある。
 東京都在住の福山章さん(仮名、80)は孫5人にそれぞれ1000万円の教育資金を一括贈与することを決めた。オーナー経営者として成功した福山さんの資産は預貯金だけで約2億円。15年から課税が強化される相続税の節税は大きな関心事だ。「子孫には財産よりも教育を残したい」と考え、預貯金から5000万円を充てた。
 この制度は孫などお金のもらい手1人当たり最大1500万円まで非課税で贈与できる。このため孫の教育資金を援助しつつ、課税される相続財産を減らしたい人が強い関心を寄せているという。
 ただ、完全に非課税となるのは孫が贈与されたお金を学校や習い事などの費用として30歳までに使い切った場合だ。使い残しがあれば30歳になった時点で課税されるので、孫の年齢や進学志望に応じて必要な教育費用をざっと把握しておきたい。

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[認知症]長寿国の現実(3)成年後見、量も質も不足

 成年後見制度は、高齢者の判断力の低下部分を補い、できるだけ自立した生活を送ることができるようにと導入された。だが、認知症高齢者が少なくとも200万人を数え、独り暮らしの人も増加する中、量も質も追いついていない。

 東京都内の80歳代の女性は2002年、あるNPOと「任意後見契約」を結んだ。将来、判断力が落ちた時に後見人になってもらうためだ。
 生活の見守り支援を受ける契約も結び、少なくとも170万円余りを預けていた。後に女性は軽度の認知症になったが、こうした支援があれば普通に暮らせるはずだった。
 だが約束は果たされなかった。08年、行政側が確認したアパートの一室には腐った食べ物が散乱、尿の臭いがこもる中に女性が座り込んでいた。預金が数万円単位で頻繁に引き出されていたが、女性には何のためか分からない。健康状態も悪化していた。
 弁護士らが協力してNPOとの契約を解除、社会福祉士が後見することになった。女性は今、グループホームで暮らすが、社会福祉士は「もう少し早く支援が受けられればこんな目に遭わせなかったのに」と思う。

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認知症患者数の将来推計(出典:平成23年11月2日中央社会保険医療協議会資料)

認知症患者数の将来推計
(出典:平成23年11月2日中央社会保険医療協議会資料)

 厚生労働省老健局が2002(平成14)年に実施した将来推計によると、2005(平成17)年の要介護認定が自立度Ⅱ以上の認知症患者数は169万人、2015(平成27)年には250万人にのぼるとされている。

 言うまでもなく、認知症は本人にとっても深刻な病気であり、周囲の家族にとっても世話や介護で多大な負担となる。ただ、「終活」の文脈で考えると、とりわけ遺言・遺書の作成に関して大きな問題となる。というのも、遺言・遺書を作成する本人の「遺言能力」が遺言・遺書の法的効力の前提条件となるからである。

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自殺者数の推移(内閣府『平成24年度自殺対策白書』)

自殺者数の推移(内閣府『平成24年度自殺対策白書』)

元アナウンサーの塚越孝氏に続き、イエローキャブの帯刀孝則社長が自殺? 自殺大国日本

 日本の年間自殺者数は10年以上、3万人超えを続けている。ただしその数字に疑問を呈する向きもある。その根拠となるのが、変死者数と行方不明者数だ。
 変死者数は、毎年の正確な統計はないものの、2008年で約16万人とされている。日本では司法解剖や行政解剖で死因究明する割合は低い。つまり、他殺や事故死を自殺としたり、自殺を事故死や原因不明としてしまったものも少なくないだろう。
 行方不明者数は2010年で約8万人。その内、約98%までは発見されるものの、残りの約2%は未発見だ。
 WHOの基準では、変死者の半分を自殺に組み入れている。それを単純に当てはめれば、日本の年間自殺者数は10万人以上になる。そう考えると、「年間自殺者数約3万人」という数字の影には、もっと深刻な数の自殺者が存在するのかもしれない。

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