パナソニックが開発したベッド型ロボット「ロボティックベッド」

パナソニックが開発したベッド型ロボット「ロボティックベッド」

介護ロボット

 介護や福祉の分野で活躍する先端機器(介護ロボット)に注目が集まっている。神奈川県は8月下旬から、実用型ロボットの普及推進事業を本格化させる。ロボットを配備した2施設を「ショーウインドー」に位置づけ、現場を公開することで普及を促す考えだ。
 国の成長戦略にも盛り込まれている分野だが、神奈川はその先端を走る条件が整っている。黒岩祐治知事が口にする「神奈川モデル」という考え方にうまくマッチするはずだ。普及策に実効性とスピード感を期待したい。
 神奈川がモデルケースに適している理由の一つは、全国を上回るペースで高齢化が進んでいる点だ。もともと日本は先進国の中でも介護に携わる人材が不足しているが、とりわけ神奈川では対策が急務といえる。
 もう一つは新産業創出という側面だ。神奈川は「ものづくり」の基盤が厚いが、それを支えてきた自動車や電機、機械などの産業は円高で疲弊している。介護ロボットはその代替のひとつになり得るはずだ。
 経済産業省の予測によると、介護ロボット市場は2015年の170億円から20年後には4千億円を超えるまでに急成長すると見込まれている。介護保険の適用対象にすることも検討されており、ニーズは高まっている。

続きを読む


家庭裁判所への相続関係相談件数

家庭裁判所への相続関係相談件数
(出所:株式会社マルクシード)

相続に「不安」、3人に1人 課税・親族争いを懸念

 遺産相続に対する不安が高まっている。「日経生活モニター」に登録した読者に調査したところ、自分や家族・親族の相続について「不安がある」との回答が35%に達した。遺産を継ぐ立場の約7割が相続財産に期待を寄せる一方、継がせる立場の8割超が遺言を用意していないなど、両者の意識に隔たりがある。
 相続に不安を感じる人に理由を聞いたところ「相続税の支払い」と「相続の配分を巡って争いが起きそうな気がする」がともに40%を超えた。2010年に相続税の課税対象になったのは全体の4%(国税庁、件数ベース)にとどまっており、課税強化が検討されている相続税と、「争族」といわれるトラブルの2つが不安の背景にある。
「継がせる立場」にあると回答した人のうち、遺言を書いているのは16%にとどまり、84%は遺言の用意がないと答えた。「遺言を書くつもりはない」と答えた人に理由を聞いたところ「相続でもめるはずがない」が44%と一番多く、「遺産があまりない」(26%)が続いた。「どの子供に面倒を見てもらうか考えられず、遺言を書けない」(東京、男性、74)との意見もあった。
 これまでに家族や親族の相続を経験した人は全体の56%で、そのうちの30%が「争いやトラブルがあった」と回答した。争いごとを経験した人の約7割が「遺言がなかった」と答えており、相続を巡るトラブル回避のため過去の経験を生かし切れていないようだ。

続きを読む


TBS

TBS

女性の寿命、世界2位に転落 85・90歳、香港に抜かれ 震災、自殺が影響か

 平成23年の日本人の平均寿命は女性85.90歳、男性79.44歳で、前年比で女性は0.40歳、男性は0.11歳縮んだことが26日、厚生労働省の調査で分かった。男女とも2年連続で縮んだ。
 主な国・地域別で、日本人女性の平均寿命は22年まで26年連続世界一だったが、23年は香港の86.70歳を下回り、27年ぶりに2位に転落した。日本人男性は4位から8位に落ち、男女ともに1位は香港だった。
 厚労省は、「多数が死亡した東日本大震災が大きく影響している」と説明している。
 震災による死者を除くと、男性は前年より0.15歳延びて過去最高の79.70歳となった。一方、女性は86.24歳と前年を0.06歳下回った。20代で女性の自殺者数が前年の787人から1008人に増えたことなどが原因という。

続きを読む


「過労死等事案」で労災支給決定された件数の推移

「過労死等事案」で労災支給決定された件数の推移
(平成22年版厚生労働白書)

7割過労死基準以上 残業協定 大手100社調査

 東証一部上場の売り上げ上位百社(二〇一一年決算期)の七割が、厚生労働省の通達で過労死との因果関係が強いとされる月八十時間(いわゆる過労死ライン)以上の残業を社員に認めていることが分かった。厚労省の指導が形骸化し、過労死しかねない働き方に歯止めがかかっていない現状が浮かんだ。

続きを読む


葬儀費用の全国平均

葬儀費用の全国平均
日本消費者協会「第9回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」(平成22年)

葬式代なくて誰にも…83歳母の遺体放置

 群馬県館林市上赤生田町で自宅の和室布団内に女性の遺体を放置した疑いで無職野村修身容疑者(47)が逮捕された死体遺棄事件で、館林署は22日、遺体は野村容疑者と同居していた母親の無職野村ツネさん(83)と判明したと発表した。
 捜査幹部によると、野村容疑者は「葬式代などの金がなく、死んだ母ちゃんのことを誰にも言わなかった」と供述しており、自宅は電気も止まっている状態だった。
 ツネさんの死因は不詳で、今年6月頃に亡くなったとみられるという。19日午後5時40分頃、ツネさんの様子を見に行った介護支援専門員の男性(37)が遺体を発見、110番した。

続きを読む


 Eating 40 per cent less food could extend a person's life by 20 years, according to scientists

Eating 40 per cent less food could extend a person’s life by 20 years, according to scientists(Mail Online)

小食が長寿の秘訣!? 「食べる量を40パーセント減らすと20年長生きできる」という研究結果

 英国ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームが遺伝子とライフスタイルが老化に与える影響を検証した結果によると、ラットの食事の量を40パーセント減らすと、20~30パーセントもより長く生きることが判明したという。これは全ての生命体に当てはまるのだそうだ。つまり、人間の寿命でいうと約20年に相当する。
 研究チームはラットの他に、60パーセントの遺伝子が人間と共通であるというハエも対象に研究を進めている。彼らは、薬の使用と食事量を減らすことでラットとハエどちらに関しても、寿命を延ばすことに成功。こうした効果は人間にも適用できるのではないかと期待している。

続きを読む


[社説]健康寿命 元気な高齢期を長く延ばそう

 健康寿命とは、一生のうちで、外出や家事など日常生活を支障なく送れる期間のことだ。何歳まで元気で暮らせるかのバロメーターである。厚生労働省が国民生活基礎調査を基に算出した。
 2010年時点の日本人の健康寿命は、男性が70・42歳、女性は73・62歳だ。平均寿命(男79・55歳、女86・30歳)と比較すると、男性で9・13歳、女性では12・68歳もの差が生じている。
 この差は、寝たきりになったり、治療や介護が必要になったりする期間を意味する。平均寿命と健康寿命の差が縮まれば、健康で元気なお年寄りが増える。
 その結果、医療や介護など、年々膨らむ高齢者福祉の費用を抑えられる効果も期待できる。
 厚労省は国民の健康に関する方策「健康日本21」に、健康寿命を指標の一つに盛り込んだ。平均寿命の延びを上回るペースで健康寿命を延ばすのが目標だ。

続きを読む


大津いじめ 県警が中学・市教委を捜索

 大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを苦に自殺したとされる問題で、滋賀県警は11日夜、男子生徒への暴行容疑の関連先として大津市教委と同中学校を捜索した。校長や市教委の担当者らからも任意で事情聴取した。県警は、いじめの実態解明を進めるとともに、市教委や学校の対応に問題がなかったかについても調べる。

 県警幹部によると、捜索の容疑は、複数の同級生が昨年9月29日、体育施設で男子生徒の手足を鉢巻きで縛り、口を粘着テープで塞いだ疑い。男子生徒はその12日後の10月11日、マンションから飛び降り死亡した。
 県警は、いじめと自殺との因果関係など事件の全容を解明するには、全校アンケートなどの資料の分析が必要と判断。県警は非公開資料があるとみて強制捜査に乗り出した。

続きを読む


認知症]長寿国の現実(4)仕事、家族失う働き盛り

 タタタタタン――。昼食に使うキャベツを千切りする包丁の音が、東京都内のデイサービスセンターの室内に響き渡る。「1秒に何回切れるの?」。速さに感心した認知症の高齢者の質問に、「30万回だよ」。冗談で答える男性(57)もまた、認知症の本人だ。
 東京・銀座の仏料理店などで料理人として腕を磨き、51歳の時、念願の自分の店を持った。だが、その直後に異変が表れた。ドライブやサーフィンを楽しむ行動派だったのに、やる気が出ず、疲れも取れない。うつ病を疑った。
 妻の勧めで受診したところ、54歳の時に若年性のアルツハイマー型認知症と診断された。思いもよらぬ結果に驚き、「仕事のこと、子供のこと、一体どうなるのかと頭がパニックになった」という。

 それから人生が一変。周囲に諭されて店を畳み、数百万円の借金返済のために妻が働いて家計を支えた。しかし、疲れ切って追い詰められた妻の求めで、今年に入って離婚。2人の子供は妻が引き取った。
 現在は生活保護を受けながら、ボランティアとして料理の腕を振るう。だが最近は、調理の段取りを考えるのが難しくなってきた。「車の免許も何もかも取り上げられたけど、妻や子供に迷惑はかけたくない。先のことはあまり考えないようにしている」と男性は話す。

続きを読む


girlyme.tumblr.com

girlyme.tumblr.com

生と死が混じり合う人生の河口~日野原重明

 医学が進歩し、がんの化学療法や放射線療法などにより、全身に転移しても、数カ月かそれ以上、生きられる事例が増えてきました。

 こうした中で有意義なのは、ホスピスやPCU(緩和ケア病棟)に短期間(1~2週間)入るという新しい発想「レスパイト(respite)」入院です。
 英語で「現場を離れた一時的な精神の休養」という意味で、つまり患者は一時的な休息のために入院・入所し、そこで気持ちを整理して、いつでも死を迎えられる心の備えをするのです。

 英語にリトリート(retreat)という言葉もあります。日々の雑事から一時的に離れ、自然の中で心を洗い、生きる意義を感じることです。

 36歳の女性が、私の設立したホスピス、ピースハウス病院にレスパイト入院をしてきたことがあります。乳がんの手術を受けた後、肝臓などに転移し、自分の命はそう長くはないと知ってのことでした。
 残される7歳と9歳の2人の男の子がそれぞれ20歳になるまで、毎年自分の誕生日に「ママからのメッセージ」を渡せるように、それを書く準備のため、10日間入院したのです。彼女は2カ月後、自宅で亡くなりました。前日には、美容院で髪をセットしてもらったそうです。

続きを読む


[認知症]長寿国の現実(3)成年後見、量も質も不足

 成年後見制度は、高齢者の判断力の低下部分を補い、できるだけ自立した生活を送ることができるようにと導入された。だが、認知症高齢者が少なくとも200万人を数え、独り暮らしの人も増加する中、量も質も追いついていない。

 東京都内の80歳代の女性は2002年、あるNPOと「任意後見契約」を結んだ。将来、判断力が落ちた時に後見人になってもらうためだ。
 生活の見守り支援を受ける契約も結び、少なくとも170万円余りを預けていた。後に女性は軽度の認知症になったが、こうした支援があれば普通に暮らせるはずだった。
 だが約束は果たされなかった。08年、行政側が確認したアパートの一室には腐った食べ物が散乱、尿の臭いがこもる中に女性が座り込んでいた。預金が数万円単位で頻繁に引き出されていたが、女性には何のためか分からない。健康状態も悪化していた。
 弁護士らが協力してNPOとの契約を解除、社会福祉士が後見することになった。女性は今、グループホームで暮らすが、社会福祉士は「もう少し早く支援が受けられればこんな目に遭わせなかったのに」と思う。

続きを読む


[認知症]長寿国の現実(2)初期症状を把握、集中支援

 台所の床に魚の骨が散らばり、浴室には汚れた衣類が乱雑に積まれている。
 「上の階から水が漏れている」という住民からの苦情を受け、東京都内の地域包括支援センターの職員は6月、90歳代の夫婦が暮らすアパートを訪れた。
 「何も困ってませんよ」
 夫はそう話すが、無言で奥の部屋へ消えた妻の肌着は、便を漏らした跡で茶色く汚れている。職員は「夫婦とも認知症の疑いがあり、いずれ生活が成り立たなくなる」と感じ、介護保険の利用を勧めたが、夫は断った。
 「認知症と自覚せず、問題ないと話す高齢者が多い。早めの支援があれば、普通の暮らしを続けられるのに」と、職員はため息をつく。

続きを読む


認知症患者数の将来推計(出典:平成23年11月2日中央社会保険医療協議会資料)

認知症患者数の将来推計
(出典:平成23年11月2日中央社会保険医療協議会資料)

 厚生労働省老健局が2002(平成14)年に実施した将来推計によると、2005(平成17)年の要介護認定が自立度Ⅱ以上の認知症患者数は169万人、2015(平成27)年には250万人にのぼるとされている。

 言うまでもなく、認知症は本人にとっても深刻な病気であり、周囲の家族にとっても世話や介護で多大な負担となる。ただ、「終活」の文脈で考えると、とりわけ遺言・遺書の作成に関して大きな問題となる。というのも、遺言・遺書を作成する本人の「遺言能力」が遺言・遺書の法的効力の前提条件となるからである。

続きを読む


「尊厳死法案」をテーマにした公開討論会(東京弁護士会主催)

「尊厳死法案」をテーマにした公開討論会(東京弁護士会主催)

尊厳死法案、「終末期」の定義めぐり激論

 超党派の国会議員連盟が検討している「尊厳死法案」をテーマにした公開討論会(東京弁護士会主催)が3日、東京都内で開かれた。

 同法案では、「行い得る全ての適切な医療上の措置を受けた場合であっても、回復の可能性がなく、かつ、死期が間近であると判定された状態にある期間」を終末期と定めており、「医療上の措置」については、栄養補給など生命維持のための行為も対象としている。

 終末期の定義について日本尊厳死協会の長尾副理事長は、「医学的に定義することは困難だが、末期はある。家族と医師との信頼関係が前提となっている」と指摘。医学会のガイドラインは周知されないとして、あくまで法制化が望ましいとの考えを示した。

 また、医療法人社団悠翔会の佐々木理事長は、「末期がいつかは、医師と患者さん、ご家族が話し合って決める問題だと思う」とした上で、「法律を作ったとしても、患者さんとご家族と医師の三者のインフォームド・コンセントがきちんとできなければ、尊厳死は絶対に実現しない」と述べ、法制化に反対の立場を示した。

続きを読む


家族で「死」の話はタブー? 今を有意義に生きるための終活

 人生の終えんを考える「終活」がメディアでもクローズアップされている。
 それに伴い高齢者の不安や悩みなど終活をサポートするための身近な専門家を養成する「終活カウンセラー検定」は数カ月先まで予約が埋まるほど多くの人の関心を集めており、年内には500名のカウンセラーが誕生するという。
 自分の死後、残された遺族のためにと、資産整理や相続、葬儀や遺影の撮影、お墓などについて、事前に書き記しておくエンディングノートは今だ人気が継続しているが、終活の活動は人生を有意義に生きる目的としても重要視されている。

続きを読む


自殺者数の推移(内閣府『平成24年度自殺対策白書』)

自殺者数の推移(内閣府『平成24年度自殺対策白書』)

元アナウンサーの塚越孝氏に続き、イエローキャブの帯刀孝則社長が自殺? 自殺大国日本

 日本の年間自殺者数は10年以上、3万人超えを続けている。ただしその数字に疑問を呈する向きもある。その根拠となるのが、変死者数と行方不明者数だ。
 変死者数は、毎年の正確な統計はないものの、2008年で約16万人とされている。日本では司法解剖や行政解剖で死因究明する割合は低い。つまり、他殺や事故死を自殺としたり、自殺を事故死や原因不明としてしまったものも少なくないだろう。
 行方不明者数は2010年で約8万人。その内、約98%までは発見されるものの、残りの約2%は未発見だ。
 WHOの基準では、変死者の半分を自殺に組み入れている。それを単純に当てはめれば、日本の年間自殺者数は10万人以上になる。そう考えると、「年間自殺者数約3万人」という数字の影には、もっと深刻な数の自殺者が存在するのかもしれない。

続きを読む


NHK「団塊スタイル」より

NHK「団塊スタイル」より

自分らしく終わりたい…エンディングノート!:NHK『団塊スタイル』

 法的拘束力のない「エンディングノート」が、なぜ注目されているのか?どんな人が書いているのか?「子供たちに迷惑をかけずに死にたい」と考える団塊の世代の“終活”について、エンディングノートを軸に考える。
 亡くなった方があまり情報を残していかなかったために、たとえば本籍が判らず、死亡届に必要な書類が整わない、葬儀の宗派がわからない、など、遺族が戸惑うことも多いという。また、2007年に家裁に持ち込まれた遺産相続トラブルの相談件数は15万件を超え、10年前の2倍増になる。そのうちの7割以上が、5千万円以下の財産に関するものだ。財産に関しては額に関わらず遺言が必要な時代だ。

続きを読む


りそな銀行の「心の信託」

りそな銀行の「心の信託」

りそな銀行、金銭と「エンディングノート」を預かる『心の信託』の取扱開始

 りそな銀行は20日、ハートトラスト「心の信託」の取扱いを開始した。同商品は、相続発生時にすぐに必要となる資金を、顧客があらかじめ指定した受取人がいち早く受け取ることができる信託の機能と、顧客が作成した「エンディングノート」を預り、受取人に確実に届けるサービスを合わせて提供するもの。りそな銀行によると、金銭に加えて、最近、関心が高まっている「エンディングノート」を銀行が預かり、届けするサービスの提供は業界初の取組みという。

続きを読む


河童橋

河童橋

  彼は最後の力を尽つくし、彼の自叙伝を書いて見ようとした。が、それは彼自身には存外容易に出来なかつた。それは彼の自尊心や懐疑主義や利害の打算の未だに残つてゐる為だつた。彼はかう云ふ彼自身を軽蔑せずにはゐられなかつた。しかし又一面には「誰でも一皮剥むいて見れば同じことだ」とも思はずにはゐられなかつた。

 「詩と真実と」と云ふ本の名前は彼にはあらゆる自叙伝の名前のやうにも考へられ勝ちだつた。のみならず文芸上の作品に必しも誰も動かされないのは彼にははつきりわかつてゐた。彼の作品の訴へるものは彼に近い生涯を送つた彼に近い人々の外にある筈はない。
――かう云ふ気も彼には働いてゐた。彼はその為に手短かに彼の「詩と真実と」を書いて見ることにした。

芥川龍之介『或阿呆の一生』

 少子高齢化が進む日本において、2005年には出生数が約106万人、死亡数が約108万人となり、戦後の一時的な人口減少期を除いて初めて死亡数が出生数を上回りました。つまり、日本はすでに人口減少社会へと突入しているのです。

 このことの政治的、経済的影響は計り知れず、現在日本は国家の存亡に関わる重大かつ喫緊な課題としてあらゆる手立てを講じようとしていることは周知の通りです。

 しかしここでは、この問題をそれらとは別の角度から、いわば「死と生をめぐる文化」の問題として考えてみたと思います。いまここで「死と生」という言い方をしたのは、さしあたり死亡数が出生数を上回ったという事実を踏まえてのことですが、わたしたちの「死と生」をめぐる文化の変化を見越してのことでもあります。

続きを読む