Election du Grand Prix du Festival d'Angoulême 2015

Election du Grand Prix
du Festival d’Angoulême 2015

大友克洋さんに最高賞、仏国際コミック祭

 世界有数のコミックフェスティバル「アングレーム国際漫画祭」が29日、フランス南西部アングレム(Angouleme)で開幕し、 熱狂的なファンを持つ漫画作品「AKIRA」の原作者として知られる大友克洋(Katsuhiro Otomo)さんが最高賞を受賞した。

 長年にわたる功績をたたえるこの賞が日本の漫画家に贈られるのは、今回が初めて。昨年の受賞者は、「カルビンとホッブス(Calvin and Hobbes)」の原作者、ビル・ワターソン(Bill Watterson)さんだった。

 「AKIRA」は、第3次世界大戦によって荒廃した近未来の東京を舞台にした漫画で、世界的にも有名。

 フランスでは日本の漫画が、コミック全体の売り上げの4分の1を占める。今回の大友さんの受賞によって、同国における漫画の立ち位置が改めて浮き彫りとなった。

日本人にとっては意外な(?)大友さんのグランプリ受賞

 コトダマの里のAzuです。今日は関東で雪が降り、気温も真冬の寒さです。水分の多い重たい雪で、スニーカーを履いて外に出たら道路でベチョベチョになった雪を踏んで危うく転びそうになりました。東京育ちなので雪道を歩くのがヘタです(^^;)

 さて話は変わりますが、漫画家の大友克洋さんが今年の「アングレーム国際漫画祭」でグランプリを受賞しました。

 フランスというとカンヌ国際映画祭が有名ですが、アングレーム国際漫画祭も由緒正しい国際フェスティバルで「漫画におけるカンヌ」と言われているそうです。

 過去には浦沢直樹さんの『20世紀少年』(2004年、最優秀長編賞)や水木しげるさんの『のんのんばあとオレ』(2007年、最優秀作品賞)などが受賞し、2013年には鳥山明さんが40周年記念特別賞を受賞しましたが、最優秀賞(グランプリ)の受賞は大友さんが日本人で初めてだそうです。

 フランスはヨーロッパの中でもとりわけ日本の漫画が人気を集めている国として知られていますので、大友さんの受賞はむしろ遅いくらいのような印象も受けます。ただ逆に言えば、それだけ海外にも日本にはまだあまり知られていない漫画(“バンド・デシネ”)の文化の広がりと厚みがあるということなのかもしれません。

 

密度が濃い方が心に残る

 ところで大友さんと言えば、多くの人は代表作である近未来SF漫画の『AKIRA』を思い浮かべる人は多いと思います。もちろんわたしも『AKIRA』は大好きで、漫画もアニメも何回も見ました。

AKIRA(大友克洋)  

 ただじつはそれに負けず劣らず、若者たちの日常の一コマを淡々と描いた初期の作品群も好きです。初期の作品は『ショート・ピース』『ハイウェイスター』『さよならにっぽん』などの作品集に収録されて、わたしのこれまでの度重なる断捨離にもサバイバルして「死ぬまで絶対手放さない本リスト」に含まれています。

 というのも、それらの漫画はわたしがこれまで読んだ範囲の中では創作作品としての完成度がもっとも高い部類に入ると思っているからです。

 大友さんの漫画作品の多くは読み切りの短編です。一番長いのが『AKIRA』で、それでも単行本で全6巻です。ただそのぶん一つ一つの作品の“密度”が非常に高く、一つ一つが緻密に作り込まれて結果として高い完成度で仕上げられていると思います。

 「緻密」ということで言えば、大友さんの絵は非常に緻密に描かれていることでつとに有名です。ただ絵柄が緻密というだけでなく、設定、キャラクター、ストーリーなど作品の全ての要素が全体として緻密にデザインされているように思えます。その意味で「作品としての完成度」が高いのです。

 その点では、映画作品に近いかもしれません。大友さんは若い頃は映画監督を志していたそうですが、漫画を作るときも映画を意識して作っていたのかもしれません。

 映画は二時間程度の枠の中でどこまで作品として完成度を高めるかが勝負になりますが、読み切り短編漫画も20ページ程度の枠の中でどこまで作品として完成度を高めるかが腕の見せ所になります。

 これが連載漫画になると、連載がどこまで続くのかなど「完成」に関する不確定要素が多く、なかなか一つの作品として全体を計画的に作り込むのが難しくなります。連載を続けているうちにストーリーが冗長になったり、テーマがぼやけたりして、中身が薄まってしまうこともままあります。

 そうすると、たとえ長編の大作であっても結局何が言いたかったのかよく分からず、印象が薄くなって心に残らないこともあります。むしろ短編の方が作品としての完成度が高く“密度の濃い仕上がり”になっていれば、心に強く残ります

 大友さんは一つ一つの漫画作品の“密度の濃い仕上がり”にこだわるがゆえに、結果として読み切りの短編が多くなったのかもしれません。

 実際、初期の作品には「School-boy on good time」「宇宙パトロール・シゲマ」「大麻境」「犯す」「ハイウェイスター」など鬱屈した若者たちのしょーもない日常の一コマを描いたものが多いのですが、わたしはそれらをだいぶ昔に読んだにもかかわらず不思議にもその一つ一つを鮮明に覚えています。(何回も繰り返し読んだからかもしれませんが。)

宇宙パトロール・シゲマ(大友克洋)

宇宙パトロール・シゲマ

 そう言えば、これらの作品群は『イージー・ライダー』『真夜中のカーボーイ』など1960年代から70年代にかけてのアメリカの映画と雰囲気が似ています。つまりどちらも人間や時代の情景を淡々とありのままに捉えながら、それをシニカルにコミカルに描いています。

Easy Rider

Easy Rider

 『イージー・ライダー』や『真夜中のカーボーイ』は当時のアメリカ映画を代表する作品ですが、大友さんの初期の小品群も『童夢』『AKIRA』などの大作もそれらと同じレベルの“密度”を保ったまま、わたしの心に残り続けています。

アニメ版「AKIRA」のセル画

アニメ版「AKIRA」のセル画(CNN.co.jp)

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