WEB漫画とはナニ?  

 最近、電子コミックをオンラインで、すなわちWEBサイトやスマホアプリで無料で配信するサービスが増えてきました。もちろん海賊版の違法ダウンロードサイトではなく、合法的な正規のサービスです。そのなかには漫画の試し読みやプロモーション(販促)のためではなく、全話(全部)無料・無制限で公開されているものもあります。そうした漫画の多くは、いわゆる「WEB漫画」と呼ばれているものです。

 今回(および次回)は、このWEB漫画にスポットライトを当てて解説したいと思います。

WEB漫画とは

 WEB漫画(ウェッブマンガ、ウェッブコミック)とは、インターネット上(オンライン)で原則無料で公開されている漫画です。その多くは、アマチュア作家やセミプロ作家、あるいは新人作家や同人作家が自分のサイトで自分の作品を公開していたり、あるいは漫画の投稿サイトに投稿していたりするものです。

 漫画そのものはインターネットが普及し始めた当初からネット上の一つのデジタルコンテンツ(電子コミック)として存在していましたが、ネットの高速化とパソコンの高性能化に伴い快適に閲覧できるようになってきました。

 とくに最近はスマホやタブレット、あるいは電子書籍リーダーなどのモバイル端末の普及でいつでも手軽に漫画を読めるようになってきました。これらのモバイル端末ではWEBサイトではなく専用のビュワーアプリによって漫画を読むことも一般的になってきています。その場合は「WEB漫画」というよりは「スマホ漫画」または「アプリ漫画」)と呼ぶ方が実態に即しているかもしれません。(以下では原則として「WEB漫画」を「スマホ漫画・アプリ漫画」も含めた広い意味で使いたいと思います。)

 

WEB漫画の商業化

 ところで、2000年代に入ってから既存の商業漫画雑誌が続々と漫画のWEB配信(アプリ配信)を始めました。その背景には人びとのメディア利用の軸足が紙媒体からネットへと移ってきたことがあると思います。現在では、『ジャンプ』、『サンデー』、『花とゆめ』など各ジャンルの代表的な漫画雑誌がWEB配信をしていて、漫画の試し読みや最新作が無料で読めるようになっています。

 そうした漫画配信サイトの中には、商業漫画の宣伝や試し読みの場としてだけでなく、WEB漫画の商業化のための足掛かりとなるものも増えてきました。代表的なのは小学館の『裏サンデー』で、WEB漫画の『ワンパンマン』で有名なONE先生も漫画を連載しています(『モブサイコ100』)

 ちなみに、以下のONE先生および『裏サンデー』編集者のインタビュー記事で、WEB漫画とはどういうものかさらによく分かると思いますのでご参照下さい。

 このようにして最近は商業漫画とWEB漫画の垣根がぐっと下がってきました。それによってユーザー側としては面白い漫画を無料(低コスト)で手軽に読める機会が増えましたし、制作者(作家・出版社)側としては面白い漫画をいち早く発掘してスピーディーに提供できる機会が増えたと思います。

 

漫画家自らがプロデュースするWEB漫画

 ところで、WEB漫画は基本的には漫画家自らがプロデュース(プロモーション)する漫画です。このことにより、WEB漫画には一般に以下のような特徴があります。

 一つめは、WEB漫画は漫画家が公開のスタイル(スケジュール)を自分で自由に決めることができます。このことは漫画家にとってはマイペースで執筆できるというメリットにつながりますが、読者にとっては漫画が読みたいときによめない、あるいは突然読めなくなるというデメリット(リスク)につながります。

 実際のところWEB漫画は連載の不定期更新や突然の停止、そして未完のまま放置――これを専門用語で「エタる」(永遠に(eternal)未完)と呼びます――が結構な頻度であります。愛読していた漫画が理由不明でエタられると悲しいものがありますし、しばしば読者の感想コーナーが荒れる原因にもなります。

 ただし人気が出て単行本として出版されるので非公開になるのはファンとしても嬉しいし、有料化されてもぜひ購入して応援したいという気持ちになります。

 二つめは、WEB漫画は漫画家が書く内容を自分で自由に決めることができます。このことは漫画家にとっては自分の書きたいことを書きたいように書けるというメリットにつながりますが、読者にとっては当たり外れの振幅が大きいというデメリット(リスク)につながります。

 つまり、外れの確率は非常に高いが当たればデカイ宝くじのようなものだといえます。さらに、最初は外れだと思って捨てようとして、少し思いとどまってしばらく読んでみるとじつは当たりだったということもあるので奥は深い。

 最近の漫画配信サイトの中には、こうしたWEB漫画のプロデュース(プロモーション)を肩代わりする代わりに、ある程度「リスク管理」をする役割を果たしているものもあります(例えば「マンガボックス」「comico(コミコ)」など) さらに、WEB漫画の更新通知や内容紹介をする速報サイト、レビューサイトなども便利です。

 いずれにしても、読者側としてはこうしたWEB漫画の特徴を十分頭に入れておく必要があります。つまり結局のところ、面白い漫画を無料で手軽に読める機会が増えた反面、その機会を活かすためには有益な情報に対する感度や収集力を高める必要がある、ということになるでしょう。

 

エキセントリックな漫画との出会いこそがWEB漫画の醍醐味

 WEB漫画の楽しみ方としては、「商業漫画と比べても遜色のないレベルの高い漫画を手軽に無料で読みたい」、あるいは「商業漫画の制約に縛られないユニークでエキセントリック(新奇)な漫画を読みたい」といったことが考えられます。

 わたし個人としては、WEB漫画の醍醐味は後者のエキセントリックな漫画との出会いにあると思っています。

 WEB漫画はその性格上、表面的には「ヘタ」(というか「雑」)に見える漫画は多いです(実際には本当にヘタな「ヘタヘタ」と本当はウマい「ヘタウマ」がありますが)。商業漫画のように管理された製作工程の下にないので当然見かけ上の完成度は低くなります。ただそれだけに、表面上の見かけではなく、アイデアと中身の勝負になります。

 したがって、膨大な数のWEB漫画の中で頭抜けてトガった(エクセントリックな)ものでないと注目を浴びません。逆に言うと注目を集めているWEB漫画というのは、大なり小なり商業出版にはないエクセントリックな面白さがあります。そしてそのエクセントリックな面白さは、作者が商業出版の制約に縛られずに表現したかったものでもあるでしょう。

 つまり、WEB漫画にはがある。が込められている。作者の漫画魂がそこにはある!

 もちろん魂が抜けたような漫画も数多くありますが、「ああ、漫画ってこんなに面白いんだ!」と感動で心を震わせるような漫画もたしかにあります。毎日無数の星々が現れては消えていくインターネットの宇宙の中で、そんな漫画に出会えるのも人生の醍醐味と言えるのではないでしょうか。

 ということで、次回の記事では具体的におすすめのWEB漫画を鬼紹介!していきたいと思います。

(おまけ)

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Azu

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