コトダマの里のAzuです。春らしい柔らかな日差しが心地よい日々が続いていますが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
さて、皆様はもう何回行かれましたか?
え? あ、もちろん『アナと雪の女王』のことです。以前、「春休みが終わったからこれからが見頃ですよ」とご案内させていただきましたが、覚えておられますか?
それから2週間以上たちましたので、週末に行くとしても字幕3D版と松たか子&神田沙也加の吹替版で最低2回は行けますよね?
え? まだ行ってない?
え…………
ええええええええええええええええええええええ!?
人生に禍根を残してはいけません
……失礼しました。危うくイスから落ちそうになってしまいました。
それはいけません! もうすぐゴールデンウィークが始まってしまいます! GWが始まったら家族連れが大挙して襲ってきます。スクリーンの真ん前で周囲から隔絶してアナ雪の世界に浸ることができなくなります。(お子さんやお孫さんがいられる方は一緒に行った方がより楽しめるかもしれませんね。失礼いたしましたm(_._)m)
え? 行くか行かないかオレの勝手だろ?
もちろんその通りですが、そのうえで猛プッシュしております。
連日のように報道されているのでもうご存じかとは思いますが、『アナと雪の女王』はすでに全世界でアニメ映画歴代最高の興行収入を上げていて、映画全体でも現在『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』に次ぐ歴代8位につけています。
もちろん映画の評価は人それぞれですが、全世界でこれまで一番多くの人に映画館に足を運んでまで観られたアニメーション映画ということは、その客観的事実だけで単純に「良い映画」である確率が高いということを意味しているのではないでしょうか。
とくにちょっと気にはなっていたけど何となく行く機会を逸してしまった、という人は危ない! 万が一見逃してしまうと人生に禍根を残すことになります。GWは混雑しまくりなのは目に見えているので、早めに観に行かれることをぜひおすすめいたします。
作品の世界観を味わい尽くす浸り方
さて、すでに何度か観に行かれた方は、少なくともリピートの可能性がある興行期間中はアナ雪の世界に浸りきっていたいところですよね。
浸り方にはそれぞれのスタイルがあるかと思います。サントラ、DVD、本を集める人もいれば、グッズに走る人もいます。わたしの知人でもっぱら2次創作でエルサ萌えに浸る人もいますが、そうした才能のある人は羨ましいです。
わたしはどちらかというと作品の世界にのめり込んでその美味しいところを余すところなく味わい尽くすのが好きな方です。
そこで今回は手始めに、アナ雪のインスピレーション・モデルになったノルウェーについてちょっと味わってみたいと思います。
『アナと雪の女王』は現実のある特定の地域を舞台にしているわけではありませんが、モデルになっているのは北欧のノルウェーのようです。ちなみに映画の舞台となっているアレンデール王国は、ノルウェー南東部のアーレンダール(Arendal)に由来するのではないかとも言われています。
アート・ディレクターのマイク・ジアイモさんとアシスタントのリサ・キーンさんは、制作するにあたってノルウェーにリサーチに行ったそうです。マイクさんによると、ノルウェーで大きなインスピレーションを受け、3つのものを「スタジオに持ち帰った」そうです。
「1つ目は、フィヨルドという地形だ。とてつもなく険しい岩肌が切り立っていて、でもその下にある湖は対照的にすごく静寂に包まれている。その後ろには広大な山々が広がっていて、すごくドラマチックな景色だった。」

Frozen (C)Disneyjp
「2つ目は、建築物だ。特にスターヴ教会は特徴的だった。1100年の中頃から1200年頃まであった建築物なんだけど、複雑な組み方なのに美しさがあってとても魅せられたよ。」

Frozen (C)Disneyjp
「3つ目は、“ローズマリング”(花柄をモチーフにした細かい模様)と呼ばれる柄だ。ノルウェー独特もので、現地では柱や家具、服など色んなところに描き込まれているんだ。」

Frozen (C)Disneyjp
これだけでなく夜空の美しいオーロラや険しい雪山など全編に北欧ムードが満ちています。自然や建物や服だけでなく細かな小道具にもノルウェー独特のものが使われてるそうです。
例えばノルウェーの代表的な伝統料理である「ルーテフィスク(Lutefisk)」(干鱈の灰汁煮)。アナがエルサを追って雪山を彷徨い歩いていて辿り着いた山小屋の店主がアナに勧めた食べ物(“魚の瓶”)がルーテフィスク(Lutefisk)です。
ちなみに干鱈は大航海時代からノルウェーの大西洋貿易を支える重要な輸出品だったそうです。ルーテフィスクは天日干しにしてカチンカチンに硬くなった干鱈を木槌で根気よく叩き何時間もかけて灰汁で戻す料理で、ノルウェーの人たちにとっていわば「ソウル・フード」ですね。わたしは食べたことないのですが、こんど食べてみたい!
こんな細かいディテールへのこだわりはいかにもディズニーらしいと思うのですが、リアリティの追求というよりは、わたしはノルウェーの伝統に対する敬意の表れだと思います。(ちなみに干鱈はアンデルセンの原作『雪の女王』でも登場します。)
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Azu

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