6000円以上の赤系口紅が特に人気(出典:SankeiBiz

6000円以上の赤系口紅が特に人気
(出典:SankeiBiz)

アベノミクス効果?美意識は口元にも リップなど高単価商品が好調

 口紅や歯みがき粉など口元の美容に関する市場が活況だ。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による景気浮揚感の後押しもあり、美意識は口元まで波及。瞳を大きく見せるためのマスカラやアイライナーなど目元メークへの関心が一巡したこともあり、唇を美しく見せるリップや歯を白くするホワイトニング(着色汚れ落とし)成分配合の高機能歯みがき粉が好調な売れ行きを見せている。

「口紅は前年比で2桁増で売れています。特に赤系の色は品切れが出るほど」

 都内百貨店の化粧品売り場の担当者はこう語る。実際、経済産業省の今年度上期(4~9月)の化学工業統計によると、化粧品目別の増減率ではファンデーション(前年同期比3.0%増)やアイメークアップ(6.5%減)に比べ、口紅(12.1%増)やリップクリーム(25.5%増)など唇向けの化粧品は大幅な伸びを示している。

 家族葬、直葬など「小さな葬儀」が急増しているのはもはや周知の事実と言ってよいだろう。この葬儀の簡素化の背景については本誌『コトダマ新聞』でも再三論じている。

 葬儀の簡素化の背景要因の一つにデフレ経済があったことは間違いないだろうが、今年は「アベノミクス」の効果がどうか知らないが株価も企業業績も上向きで、今冬のボーナスも増えるところは多そうで、デフレ脱却の兆しは見える。

 懐具合が少し暖まると庶民としては「プチ贅沢」をしたい気分になる。例えば、「いつもは昼は牛丼だけどたまには焼き肉定食にするか」というような人は多そうである。

 だからといって、「それじゃあお葬式を“プチ贅沢”にしようか」などという人は90%いないと思われる。
 というのも、これまで再三論じてきたように、葬儀の簡素化は経済的要因だけではなく、もっと根本的には「死の個人化」という価値意識の変化をベースにした社会的文化的変化を背景にしているからである。したがって、小さな葬儀は次第に社会的文化的慣習として定着していくだろう。

 とはいえ、その一方で近年は「終活」も浸透してきている。終活は生前から死の準備をしていくことだが、具体的には葬儀や墓についての意思や希望を明確にしたり、場合によっては自分で手配や段取りを整えてしまうこともことも含まれる。

 とくに、自分の葬儀について家族(遺族)に負担をかけたくないということと、ありきたりではない「自分らしい」葬儀にしたいという両方の思いから自分で事前に準備してしまう人も増えてきている。
 とすると、「家族に負担をかけたくない」という思いから葬儀を簡潔に済ませようとする一方で、たんにそれだけでなく「自分らしい」葬儀にするために自分の資金で何らかの「自分らしい演出」をしようとする人も少なくないだろう。
 例えば最近女性を中心に増えつつある遺影の生前撮影などは、ささいなことかもしれながら一種の「プチ贅沢」と言えなくもない。

 そして、年金生活の高齢者の消費行動に対しては株や不動産のような資産価値の上昇が影響を与える。さらにこうした高齢者の行動は今や日本経済のデフレ脱却のための鍵を握っているのである。

 いずれにしても、アベノミクス効果(?)で終活関連の商品・サービスの購買行動に「プチ贅沢」な要素が入る可能性はゼロではない(先に「90%ない」と言ったが、残り10%ぐらい?)と思われる。
 とはいえ、後に消費税増税が控えているのでその前の「プチバブル」っぽい感じも否めないが。

 

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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