宇宙葬サービス「Memorial Spaceflight」(出所:ハフィントンポスト)

宇宙葬サービス「Memorial Spaceflight」
(出所:ハフィントンポスト)

格安の「宇宙葬」が日本に進出?葬儀ビジネスは成長産業

 ……最近では、米国で元NASA技術者が立ち上げたベンチャー企業・エリジウムスペース社が、破格の宇宙葬サービス「Memorial Spaceflight」を開始することを発表している。従来の価格の約半分程度の1990ドル(約19万5000円)で、遺灰の一部を入れたカプセルを宇宙に打ち上げる。遺灰は数ヶ月から数年間にわたり地球の周回軌道を回った後に大気圏に突入し、「流れ星」のように燃え尽きるという。

 同社は海外進出の第一歩として、まずはポテンシャルの高い日本をターゲットに選んだことを10月1日に発表している。ウェブ上で申し込むと、特殊なアルミ製カプセルが郵送され、それに遺灰を納めて返送。希望者はフロリダ州の打ち上げに立ち会うことも可能だという。なお日本の次は、墓地の土地不足が深刻化している英国への進出を検討中だという。

 

宇宙飛行士になりたい

 こんにちわ。コトダマの里の“ブライアン・ジェイ”(*)Takeです。

  • 人気コミック『宇宙兄弟』に登場するNASAの宇宙飛行士です。

 ご存知のように、『宇宙兄弟』はコミック誌『モーニング』で連載中の人気漫画(アニメ)です。南波六太・日々人兄弟が子どもの頃UFOを目撃したのをきっかけに「一緒に宇宙飛行士になろう」と誓い合い、その夢の実現に向けて奮闘するストーリーです。

 宇宙飛行士は小学生の「なりたい職業」のナンバーワンによくなりますが、じつはどんなふうな仕事でどうしたらなれるのか誰もよく知りません。このマンガではそこらへんがリアルに詳細に描かれているので、読むたびに「へー」となることうけあいです。

 わたしも子どもの頃は宇宙飛行士になりたかったのは言うまでもありません。宇宙兄弟の六太のように「今からでも遅くない!」と一念発起することもできるでしょうが、宇宙は寒そうだし今はちょっと遠慮しておきたいと思います。

 …というように、幼き日の夢をすっかり諦め、実現したい夢が宇宙飛行から定年退職へと強烈にスケールダウンした大人男子は多いと思います。

 が、諦めるには及びません! 死んだ後に宇宙に飛ぶ(散る)という方法がありました!

 それが今回ご紹介する「ロケット宇宙葬」です。

 

“タマシイ”になって宇宙旅行

 いつぞやは最近流行のユニーク葬の一つとして「バルーン宇宙葬」を取り上げました。

 このとき紹介したバルーン葬は、直径2.5mのバルーンの中に入れられた粉状の遺骨が高度35km付近の成層圏まで上昇し、そこでバルーンが破裂して空に散骨される、というものでした。

 しかしロケット大国(?)米国ではさらにそれを文字通り“上回り”、成層圏を突き抜けて本当に宇宙に行ってしまう宇宙葬のサービスが10年以上前から提供されていて、すでに大勢の“タマシイ”が宇宙に旅立っているようです。

 史上初めての宇宙葬は、1997年、米国の人気SFテレビ番組シリーズ『スタートレック』の原作者であるジーン・ロッデンベリー氏らの遺灰が米Space Services社のロケットに積まれて宇宙に旅立ったのが最初のようです。

 2007年には同じく『スタートレック』で宇宙船の機関長役を演じたジェームズ・ドーハンさんらの遺灰もロケットに積まれて宇宙に打ち上げられました。このときはドーハンさんを含めて約200人が宇宙に旅立ったそうです。

 ちなみに同社(運営会社Celestis)のホームページによると、宇宙葬にはいくつかのタイプがあります。

 “Earth Rise”というサービスは、ロケットでいったん宇宙空間(70マイル上空)に飛び出て数分間だけ「宇宙旅行」をしてそのまま地上に「帰還」します。料金(費用)は遺灰1グラムのカプセルで995ドル(約10万円)。プラス200%(1990ドル)で7gのカプセルにできるそうです。

 さらに“Earth Orbit”というサービスは、ロケットで地球の周りをグルグル回る周回軌道にカプセルが載せられます。遺灰が入ったカプセルは短いと10年ぐらい、長いと数百年(!)地球を周回して、やがて地球に戻り「流れ星」となって消えるそうです。料金(費用)は遺灰1グラムのカプセルで4,995ドル(約50万円)。やはりプラス200%で7gのカプセルにできるそうです。

The Earth Rise Memorial Space Flight Service from Celestis

 紹介した記事にあるElysium Spaceは米国のベンチャー企業で、上記の先行するCelestisに対抗して”Earth Orbit”に相当するサービスを格安で提供する目論見だと思われます。ただ打ち上げはフロリダ州のようですので、打ち上げに立ち会うためにはフロリダまで行く必要があるようです。

 いずれにしても今後は日本でも宇宙葬を提供する企業が続々と登場してくるかもしれません。

 個人的には以前紹介したバルーン葬の方が、ゆっくり空に上がって行くのを見守りながらお別れをすることがでるので“日本的情緒”が感じられるように思います。

 米国式の「ロケット葬」だと打ち上げられてあっという間に宇宙に行ってしまい、故人をしみじみと偲ぶとか惜別の情が沸き起こるとか、そういう情緒的雰囲気に浸る余裕もなく、「おー、スゲー!」と感嘆してしまうような気もいたします。

 ところで、コトダマの里ではかねがね「葬儀の簡素化」をテーマとして取り上げてきました。

 最近の「散骨」は基本的に「葬儀の簡素化」の流れの中で人気が出てきたのだと思いますが、この「ロケット宇宙葬」も葬儀のジャンルとしてはひとまず「散骨」に当たると思います。が、費用はともかく見かけの演出は「簡素」というよりはむしろ「豪快」と言えましょう。

 葬儀は派手にしたい一方で費用は抑えたい方にはおすすめの葬儀スタイルの一つです。

 わたしもできれば生きている間に宇宙旅行に行きたいと思うのですが、それがかなわなければせめて死んでから“タマシイ”になって宇宙に行きたいと思う今日この頃です。

 

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コトダマの里のIT事業部長兼SE兼お茶係です。主に電子書籍やタブレットなど最新のICT(情報通信技術)の動向について斜め30度ぐらいから考察します。

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