憤懣本舗「霊園が差し押さえ… お墓をめぐるトラブル」(出所:毎日放送)

憤懣本舗「霊園が差し押さえ… お墓をめぐるトラブル」
(出所:毎日放送)

霊園が差し押さえ… お墓をめぐるトラブル

 先祖の墓に花をたむけ、手を合わせる。墓は故人と会える、大切な場所です。ところが、こうした霊園を舞台に今、トラブルが相次いでいるといいます。

千葉県船橋市にある霊園、「やすらぎの里」。
 2年前、霊園の一部が裁判所の競売にかけられ、不動産業者に落札されました。
 「競売になったのは、この奥側。今、不動産屋さんがお持ちなんですけど」(霊園の利用者 木原肇さん)
「永代使用権」をすでに払っていたにもかかわらず、落札した不動産業者は、土地の使用代を請求してきたといいます。
 「(落札した)地主さんが『地代を払ってくれ』とか、『区画を買ってくれ』と利用者に連絡があったみたいですね」
 (Q.実際、皆さん払われたんですか?)
 「いや、払ってないです。それは僕らが止めましたから、二重払いになりますので」

 本来、霊園の経営は宗教法人や自治体などに限定されています。にもかかわらず、「やすらぎの里」は民間業者が運営を行い、経営が破たんしてしまったのです。
 木原さんは去年、墓の利用者の権利を守るため、宗教法人の代表に就任。お金を集めて、不動産業者から買い戻すことも検討しています。「私が僧侶になって、この霊園をあと4年で自分たちに取り戻す(買い戻す)作業をしています」

 土地の所有者が変わった場合、1度払った「永代使用権」はどうなるのか?
 「墓地使用権(永代使用権)は(新しい地主に)対抗できると思いますので、『墓石を全部撤去しなさい』という要求に応じる必要はないと思いますけども、ただそれ以外、集会所を利用したとか、管理事務所が霊園の管理をしてくれてたとかなどは、今後、サービスが受けられなくなるかもしれない」(虎の門法律事務所 小松初男弁護士)

 先般、葬儀や墓に関する最新のトレンドを紹介した。

 そこで、都市部での墓地不足を背景に、大規模な自動搬送式納骨堂が続々と造られて人気を集めていることなを紹介した。

 これから「多死社会」を迎えて墓の需給ギャップがますます進むことを鑑みると、こうした”供養(葬儀・墓)の合理化(簡素化・低価格化)”は着実に進んでいくだろう。
 そして、”供養の合理化”は”供養の市場化”と表裏一体をなす。つまり、供養の合理化は供養がビジネス・プロセスに組み込まれる形で進んでいくだろう。
 とすると、これまではタブーだった供養にまつわる諸々の規範や価値と「供養ビジネス」はさまざまな軋轢を生み出すことが予想される。

 例えば今回紹介した事例のように、霊園の経営は法律上ないし建前上は宗教法人や自治体が携わることになっているにもかかわらず民間業者が様々なルートでそこに実質的に関与するようになることは十分考えられる。
 そのさい民間業者はおおよそ宗教的価値や文化的価値や心情的価値などにはさらさら関心がなくたんに市場的価値(利益)だけを追求するので、墓の一つ一つに込められた「供養のココロ」など「知ったこっちゃない」となりがちである。

 そもそも「永代使用権」のような「超長期的な観念的価値」を「四半期の営業利益」のような「超短期的な市場的価値」を追求する主体に扱わせようとするところに根本的な無理がある
 少子高齢化、人口減少、社会規範の衰退、社会関係の希薄化などを背景にして寺院も経営上の困難を抱えるところが増えている。
 墓地や霊園のタイムスケールはある意味で「環境保護」と共通するところがあるので、政府や自治体などの公共的な主体がその管理・運営を担うのが本筋であろう。

 

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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