ニフティ・コムニコ『ソーシャルメディアに対する"終活"の意識調査』(出所:マイナビ・ニュース)

ニフティ・コムニコ『ソーシャルメディアに対する”終活”の意識調査』より(出典:マイナビ・ニュース)

死後はどうする? ソーシャルメディアでの”終活”に関する意識調査

 ニフティとコムニコは8月27日、ソーシャルメディアに対する”終活”の意識調査の結果を発表した。

 発表によると、”終活”という言葉を知っていると答えた人は全体の62.8%。20代、30代を含む調査対象の全年齢層で過半数に認知されている。

 また、自身が亡くなったあとのソーシャルメディアの扱いについて考えたことがあるか、という質問に対して、全体の19.0%が「考えたことがある」と回答。特に40代は「考えたことがある」の回答率が23.0%と高い。

ニフティ・コムニコ『ソーシャルメディアに対する"終活"の意識調査』

 また、家族が亡くなった場合、ソーシャルメディアに投稿された家族のコメントや写真などのデータを残したいかどうかを尋ねた質問には、49.2%の人が「残したい」もしくは「どちらかというと残したい」と回答。一方、自分が死んだ場合については、71.6%が「投稿データを残したくない」「どちらかというと残したくない」と答えている。

 近年は、スマホやタブレットの普及でソーシャルメディアの利用が老若男女を問わず広まっている。

  • 「ソーシャルメディア」(social media)とは主に個人間の社会的な情報交流を目的とした情報メディアで、かつてはインターネットの掲示板やブログ、現在ではFacebook、Twitter、LINEなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)、さらにYoutubeやニコニコ動画などの動画共有サイトなども含まれる。

 ソーシャルメディアが普及するに従い、それらの利用者のアカウントをその人の死後どのようにするのかは以前から問題にはなっていた。ただし現状では全体として放置に近いようだ。(つまりとくに手続きを取らない限りアカウントは存続し続ける。)

 個人のホームページやブログなどは匿名で開設されている場合が多く、そのアカウントの所有者が予期せず死亡して更新がストップしても、それがたんなる放置なのか、それとも所有者が死亡して更新が不可能なのか、サービス提供業者が確認するのは容易ではない。膨大な数の利用者を抱えているサービス提供業者からすると、それを確認する手間やコストを考えたら何か問題が生じない限り放置しておいたほうがよいだろう。

 ただ、TwitterやFacebookなど大手SNSサービスでは利用者の死後を想定したサービスを提供し始めている。例えばFacebookは親族や知人からの申請で死亡した利用者のアカウントを存続させ保全する「追悼アカウント」というサービスを提供している。Twitterも利用者の死亡を親族や知人が運営に知らせる仕組みがある。しかし現在のところそうした仕組みを活用する人はまだ少ないようである。

 そもそもFacebook、Twitter、LINEなどのSNSは個人の社会的な情報交流が目的なので、自分が死んだ後のことをを意識して利用していることはほとんどないと思われる。したがって、もしかりに自分に不測の事態があった場合はたんにアカウントを削除してもらいたいのと思うのはごく当然のことだろう。

 しかし他方で、遺族から見れば、それは個人(故人)の生前の様子や活動を偲ばせる重要な「遺品」の一つである。しかもそれはそもそもインターネット上で知人や友人、あるいは不特定多数の人びとに公表することを前提に作成されたものなので、公表しておくことに意味がある場合も多い。したがって、可能ならばそれをそのまま「インターネット上の墓標」として存続・保全しておきたい、と思うこともこれまた自然なことである。

 そうすると、自分は死後は削除してもらいたいと思っていても遺族は存続させておきたいと思っていて、けっきょくそのままにされてしまう、というのがありがちなパターンになりそうである。

 ただし、例えば「闘病ブログ」などは「終活」を明確に意識したものも少なくない。

 すなわち闘病ブログは、自分の闘病の様子やそのさいの気持ちを率直に公表することで、病気に関して読者と情報交換をしたり、あるいはそこでお互いに励ましあったり慰めあったりして病気に前向きに立ち向かうためのエネルギーにしたりすることが目的の場合が多いだろう。ただしそれに加えて、自分の闘病の記録を残すことで同じような病気の人に参考にしてもらいたい、という「社会的知財」を残しておきたいという意識もあると思う。

 したがって、万一自分に不測の事態があったとしても、できれば自分のブログをそのまま残しておいてもらいたい、という希望をもつ人は少なくないであろう。そしてもしそのブログの存在を家族や友人が知っているならば、そうした希望を汲んでその個人の死後もそのブログをそのまま存続・保全しようとするだろう。

 そうしてみると、これからソーシャルメディアの普及が進み、なおかつ終活についての認知も広まっていくならば、ソーシャルメディアを終活の一環として、あるいはそれを意識しながら活用することも増えていきそうである。

 いずれにしても、ソーシャルメディア上の自分のアカウントとその情報をどうするか、ということは今後終活の重要なイシューの一つなるだろう。

 

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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