岩手県釜石市の石応禅寺で行われた「万灯供養」(出所:MSNニュース)

岩手県釜石市の石応禅寺で行われた「万灯供養」
(出所:MSNニュース)

犠牲者しのぶ5色の明かり 釜石、被災3度目の盆

東日本大震災の被災地は発生から3度目の盆を迎えた。岩手県釜石市の石応禅寺では13日、色とりどりのちょうちんを飾る「万灯供養」が行われ、人々は闇の中に浮かんだ幻想的な明かりに犠牲者をしのんだ。

 万灯供養は死者の霊が迷わないようにと、行われている伝統行事。約570個のちょうちんが、津波の犠牲者らの名前を記した短冊とともにつるされた。

 日が沈み、辺りが暗くなると、赤、青、緑、黄、ピンクのほのかな光が境内に。お墓参りで訪れた人たちは、自分たちの先祖のちょうちんの前で立ち止まり、じっと見入っていた。

 今年のお盆は、東日本大震災の発生から3度目のお盆である。
 福島県内の帰還困難区域内では事故後初めてお盆期間中の一時帰宅が実施された。立ち入り禁止区域への一時帰宅は被爆を防ぐための防護服を着用しなければならないため、これまで暑さの厳しい8月は実施されなかったが、住民からの強い要望で今回実現した。
 とはいえ、震災で墓石はバラバラに倒れ、雑草は伸び放題、墓地は荒れ果ててしまっている。高い放射線量で長時間滞在することはできないので、住民は自分の家の墓の所在を確認できないまま適当な場所で花を供え、手を合わせたとのことである。

 

 改めて思えば、被災地の方々の「弔いの思い」というのは普通の場合よりいっそう強く深いものがあるはずである。家族が震災で亡くなった方はなおのことそうだろう。しかしながら、被災地の岩手、宮城、福島各県では震災で墓地が崩壊したまま再建が滞っているところが多いようである。

 震災復興全体としては迅速に対処すべき課題が山積みになっている現状では、墓の修復や墓地の再建などは後回しにされがちかもしれない。しかしながら、墓地が荒廃したままでは、震災の犠牲者のタマシイも浮かばれないであろう。せめて遠く離れていても、供養のココロは忘れずに持ち続けたい。

 

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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