到着ゲートで出迎えを受ける帰省客(出所:くまにちコム)

到着ゲートで出迎えを受ける帰省客
(出所:くまにちコム

「お盆玉」「恵方巻き」「甘酒」 冬の習慣が夏に登場する訳

 お盆を前に売れているものがある。ポチ袋だ。正月にお年玉を渡すように、お盆休みに孫や子、親戚の子どもたちにお小遣いを配る「お盆玉」が、少しずつ広がっている。先ごろは、大手スーパーやコンビニが夏の節分(8月6日)に向けて「夏の恵方巻」を展開。冬の習慣やイベントが装いを変えて夏にもお目見えし、新たな商機を伺っている。

 大手企業の夏のボーナスが前年比4.99%増となった今年、お盆玉を広げようと、売り場を拡充する店舗が増えている。池袋のロフトには、かき氷や海など、涼やかなポチ袋がずらりと並ぶ。先月の売り上げは、昨年に比べて10%以上増となった。もともと一部地域では、親が、お盆に田舎に帰省した子や孫に小遣いを渡す「お盆玉」の習慣があった。夏にポチ袋を購入するのも50~70代が多いという。

 昨日10日からお盆の帰省ラッシュが始まっている。今日はふるさとでお盆を過ごしている人も多いだろう。

 今年のお盆は全国的に記録的な猛暑に見舞われている。日本気象協会によると、11日12時30分時点で最高気温が35度以上の猛暑日地点は227地点に達し、3日連続して猛暑日地点が200を超えるのは今世紀に入って初めてとのことである。
 また、今年のお盆のポイントは「どこへ行っても暑さが厳しい」ということで、とくに期間前半の「10日から14日」にかけてが暑さのピークで、この夏一番の暑さとなると予想されている。

 ただ、こうした暑さは、ふるさとの田舎でお盆休みを満喫する子どもたちにとっては”嬉しい暑さ”といえるかもしれない。久しぶりに再会したおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に近くの山や川や海で思いっきり遊んでいる子どもも多いだろう。

 ところで、紹介記事によると、最近はお年玉ならぬ「お盆玉」の習慣が広まってきているという。お盆玉というのは、お盆に田舎に帰省した子や孫に渡すお小遣いのことだ。
 ただ、子や孫が帰省したさいにお小遣いをわたすことはごくふつうにされていただろう。それをわざわざ「お盆玉」と称して取り上げるのは、どこか商売的な思惑が働いているような気もしないでもない。

 実際のところ、例えば近年はお盆が「ランドセル商戦」の山場になってきている。これは主力の購入者が両親から祖父母へ移行してきていることによる。
 さらに、「早期に購入する祖父母ほど高単価の商品に手を伸ばす傾向がある」とのことである。いずれにしても、「お盆玉」を手にした孫と祖父母は大手スーパーなどにとっては格好のターゲットであり、お盆のかき入れ時の商機を逃すまいと必死になっているところだろう。

 しかし、お小遣いやランドセルもいいが、一番の「お盆玉」は”会って話をすること”そのものだと思う。

 遠方で離れて暮らしている場合、孫にとって祖父母の話を直接聞く機会はお盆と正月ぐらいしかない。しかしその一方で、機会が希少な分、その話は妙に記憶に残ることがある。
 孫にとっては非日常的でハイテンションな状況なので記憶に残りやすいということもあるだろう。それゆえ、例えば孫のお父さんお母さんの小さい頃の話や思い出話などを聞くのは、孫にとって家族の「つながり」を改めて認識し、理解する良い機会でもある。

 そしてそれは田舎で思いっきりはしゃいで遊んだ思い出とともに、孫のココロにしっかりと刻み込まれるであろう。

 それこそお盆にふさわしい、「コトダマ」というお盆玉である。

 

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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