エンディング・ノート(出所:女子SPA!)

エンディング・ノート
(出所:女子SPA!)

アラサーから「終活」を始める独女が増加中

 婚活、妊活、美活……などなど、昨今の特に女性にはさまざまな“活動”が付きまといますが、そのなかでも最近、人生の最後を迎えるための活動、いわゆる「終活」をする女性も増えているようです。エンディングメッセージ普及協会理事長で、終活アドバイスを行っている安田まゆみさんが話します。

 「11年の震災以来、多くの人が、『明日があるかどうかは不確定だ』ということを身を持って感じました。大震災の余波はずいぶんとおさまってきてしまいましたが、やっぱりいつどこで自分がどうなるかなんてわからないですし、特に一人暮らしの女性であれば、いざというときのために自分の身の回りのことを誰かに残しておく必要があると思うんです。それを実践する人も増えています」

 そこで、まずとりかかるのが、「自分の死後はこうしてほしい」という思いを綴る、「エンディングノート」の作成だとか。

 「エンディング・ノート」がシニア世代だけではなく若い世代でも関心を集めている、ということはすでにたびたび報じられている。

 よく指摘されているのは、紹介記事にもあるように、震災以降、「いつ何時何が起こるか分からない、それに備えておこう」という意識が一挙に広まった、ということである。
 ただしさらにその背景をもう少し突っ込んで考えてみると、個人主義的なライフスタイルの深化インターネットを中心としたデジタル・ライフの深化(進化)があると思われる。

 現代では家族世帯であっても個々のメンバーのライフスタイルの独立性は強まっている。もともと都市部の家族では同居して同じ空間で生活してはいても生活時間はバラバラなことは多いし、さらに携帯やスマホの普及でそれぞれのプライベートな活動はますます把握しずらくなっている。
 さらにフェイスブックやツイッターなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)の普及により、人間関係や交流関係を含めて個人の「社会生活の拠点」もインターネットに移行してきている。

 加えて、共働き世帯が増加し、夫婦それぞれの経済的・社会的な独立性も強まってきている。
 そのさい、それぞれ自分の「サイフ」をインターネット・バンキングなどで管理していたりすると、夫婦でありながら互いに相手の経済状況を知らないし、知るすべもない、ということも少なくない。

 このようにインターネットをベースにしたそれぞれの「デジタル・ライフの独立性」が強まると、逆に自分のデジタル・ライフの状況をきちんと管理しておいたうえで他者にその内容を知らせる手段がないと、自分に万一のことがあった場合に諸々の手続きや処理を代わって引き受けなければならない家族は大変困った状況になる。
 あるいは逆に、家族が急遽スマホを見てみたら「想定外の事態」「別人のような素顔」に驚愕し大慌てする、ということもありがちになるだろう。

 こうしてみると、いわゆる「デジタルネイティブ」な若い世代ほど、このような「万が一の時」に備えておく必要がある、といえる。また逆にそれに対する備えがきちんとあれば、安心して「デジタルライフ」が送れる、ということもある。
 そうすると、このような「万が一の時のための備え」という意味での「エンディング・ノート」は、もはや「終活」を越えて、デジタル時代の「生活の作法・マナー」となってきていると言えるだろう。

 

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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