「主夫」は運動によい

1日40分運動する高齢者、がん・認知症リスク2割減

 1日に40分ほど体を動かす高齢者は10~15分程度の人より、がんや生活習慣病や関節痛、認知症になるリスクが平均21%低いことが、厚生労働省研究班の研究でわかった。結果から厚労省は、65歳以上の高齢者について「1日合計40分体を動かすこと」とする健康づくりの活動基準をまとめた。高齢者向けの基準は初めて。18~64歳向けの基準も作った。

 研究班(主任研究者=国立健康・栄養研究所健康増進研究部の宮地元彦部長)が国内外の論文を分析し、リスク低下を確かめた。活動量が増えると、がんのもとになる細胞ができにくくなるほか、血の流れが良くなることが理由らしい。
 無理をして体を壊さないよう注意が必要だが、散歩やストレッチ、皿洗いなどどんな動きでも効果があるという。
 また年齢に関係なく、活動時間が1日につき10分増えると、がんや認知症などになるリスクが平均3・2%減ることもわかった。
 厚労省は18~64歳についての基準も作り、目標は、歩行と同じかそれ以上の強さの活動である自転車走行や掃除などを毎日計1時間とした。歩行だけなら8千歩程度に相当する。さらにラジオ体操や水泳といった息が弾み、汗をかく程度の運動を週に1時間勧める。

 散歩やウォーキングなどの「無理のない運動」が健康のためによい、というか欠かせない、ということは、もはや誰でも”頭では”理解している常識である。
 しかし問題なのは、”頭では”分かっているが”体が”なかなか動かないことである。
 散歩やウォーキングなどは、歩くのが困難な人以外は誰でも”その気になれば”できる容易で手軽な運動の代表格である。にもかかわらず、つい”その気になる”のを怠ってしまう。「今は雨が降っているから」「今日は調子が悪いから」とかいろいろ理由をつけてサボるのを正当化してしまう。

 けっきょく、どんなに容易で手軽な運動であっても”わざわざ”するような運動は、根がズボラな人にとってはけっこう続けるのが難しい。
 つまり、日常生活のなかで”必須の””不可欠な”活動として組み込まれていないとなかなか続かない。例えば都会の通勤者は毎日けっこう歩いていてこれがある程度健康のために役に立っているが、これも日常生活のなかの”必須の活動”に組み込まれているから続けざるをえなくて続いているだけである。

 そうだとすると、「家事」は一つ目の付け所である。
 厚生労働省の「1日40分体を動かす」という活動基準では体を動かすことであればどんな活動でもよいようなので、「家事」もそれに含まれる。掃除、洗濯、買い物、食事の用意、後片付けなど、家事はけっこう体を動かす。しかも、家事全般をこなすと、とても40分では収まらない。トータルでは知らぬ間に結構な運動量になっているはずである。

 そうしてみると、主婦は期せずして毎日健康的な生活をおくっていることになる。男性より女性の方が長生きなのもそれが一因なのかもしれない。
 そうであれば、とくにシニアの男性は健康のために「主夫」になってみるのがよいかもしれない。健康にも良いし、妻にも喜ばれて一石二鳥かもしれない。

 

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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