高齢者向け賃貸住宅 狭い物件約7割

高齢者向け賃貸住宅 狭い物件約7割(NHK)

高齢者向け賃貸住宅 狭い物件約7割

 「サービス付き高齢者向け住宅」は、室内がバリアフリーで、安否確認と生活相談に応じるスタッフがいる賃貸住宅で、おととし10月から国が登録制度を設けました。全国での登録件数は先月26日現在、およそ2750棟あり、戸数は8万8400戸余りに上っています。
 その現状を、民間の研究機関「高齢者住宅研究所」が去年10月に調べたところ、居室の広さが、原則25平方メートル以上という国の基準より狭い物件が全体の69%を占めていることが分かりました。高齢者住宅研究所は、家賃を抑えるなどの目的で最低限の広さにする業者が多いとみています。また、安否確認と生活相談以外に提供されているサービスは、食事が95%、掃除などの家事が54%、入浴介助などの介護が52%などとなっています。
 「サービス付き高齢者向け住宅協会」の石川則子さんは「お年寄り自身がそこで本当に生活できるのかよく考えて選んでほしい」と話しています。

 

 老人ホームに次ぐ、老後の住まいの新たな選択肢として登場した高齢者向け賃貸住宅。当初は”高専賃””高優賃”など高齢者向け賃貸住宅の制度的仕組みがややこしかったが、改正法の施行をうけて2012年10月20日に「サービス付き高齢者向け住宅」へ一本化された。それからたった一年余りで、登録数は8万戸を超えている。
 ところが現状は、国が示した基準より狭い物件が7割近くに上り、「スタッフの常駐していない住宅もある」と相談が寄せられるなど問題含みで、厚生労働省も実態の把握に調査に乗り出すという。

 「サービス付き高齢者向け住宅」の急増の要因の一つに、国から出る建設費の補助金を狙って介護分野の経験のない事業者が新規参入してきたことがあると言われている。
 経済的に余裕のある高齢者向けの高級賃貸住宅は別として、多くの高齢者は年金暮らしを送っている。したがって、部屋の間取りに関しては、たとえ手狭であっても、家賃が妥当ならば多少妥協してもよいという高齢者は少なくないだろう。とはえい、「暮らしの安心」に関してはうやむやにごまかされてすまされる話ではない。

 必須サービス以外の提供は施設により様々だが、「サービス付き高齢者向け住宅」であるならば、最低でも入居者が介護が必要になった際は地域のしかるべき介護サービスへとスムーズに連携できるシステムを備えていなければ「サービス付き高齢者向け」と謳うことはできないだろう。
 また、行政の側でもこうした連携を全体的に視野に入れた高齢者福祉サービスの設計をしておかないと、業者にまかせて野放図にしたままでは必ずトラブルが頻発するだろう。さらに、その対応でかえって税金が必要になるというありがちな展開になることが十分予想されるので、収拾が付かなくなる前に手を打つ必要がある。

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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