四国71番弥谷寺の永代供養墓

四国71番弥谷寺の永代供養墓

永代使用料払い購入した墓 管理費払わねば5年で撤去される

 墓を買う時には「永代使用料」というのを支払う。「永代」っていうくらいだから、一度払えば、その後ズ~ッと永遠に使えると思う人もいるかと思うが、実は違う。
 これとは別に年間の「管理費」ってのを払う必要がある。この管理費、区画の広さや霊園の場所によって様々だが、年間数千円から高くても2万円程度。
 たいした金額でもないのだが、払うべき子孫がいなけりゃ当然払えなくなっちゃうワケで、そうなると霊園側も永代使用権を剥奪してその墓を撤去することになる。電気、ガス、水道が自治体によって2~6か月料金を払わないと止められるのと同じ理屈だ。
 ただ墓の管理費は1年払わなかったくらいで撤去されることはない。
 それじゃあ何年払わなければ撤去されるかというと、一般的には普通のお墓で5年。納骨堂タイプのお墓では13年だという。その撤去された墓が無縁墓となる。

 

 

 墓に関して紛らわしいことの一つに「永代使用墓」「永代供養墓」の違いがある。
 永代使用墓は従来の墓の形式で、最初に一時金として「永代使用料」を支払い、後はお墓の管理者(相続人)が「管理料」を払い続けて供養をする、というものである。
 それに対し、永代供養墓は、最初に一時金として「永代供養料」を支払う点は同じだが、それにはその後の管理料も含まれている。したがって、お墓の管理者がいなくても、お寺などが代わって管理・供養を行う。また一般的に他の人と一緒の墓あるいは同じ納骨堂に安置される合葬(ごうそう)墓、合葬納骨堂となることが多いので、その分費用的に安上がりですむ。
 この永代供養墓の方は、近年、少子化や単身世帯の増加を背景に、独身や子どもがいなくてお墓の継承者がいない人や夫と同じ墓に入りたくない女性などの関心を集めているようである。

 そもそも、従来の永代使用墓は「永代」といっても墓の管理者がいることが前提であるから、じつは「永代」が保証されているわけではない。その一方で、家族の存在理由が「イエ」の存続にあるような昔に比べて、現在の日本人は「イエ」の存続にそれほどこだわりはない。したがって、イエ本位の弔いから個人本位の弔いへ意識的にも変わりつつある今日では、自分自身または夫婦をずっと供養してくれる墓の方が魅力的に思う人も多いだろう。
 ただし「永代供養墓」であっても、三十回忌までなどの制限がある場合や、檀家なるなどの条件がつく場合があるので注意が必要である。また、お寺自体が継承者がいなくて廃寺になったり民間霊園業者が倒産したりすることもあるわけなので、結局のところ「永代供養」が絶対的に保証されているわけではない。

 そうしてみると、「永代供養墓」の関心は、現実的に墓の「永続」が期待できなくなってきている今日でもなお「永続」にこだわりをもつ人は少なくない、ということをはからずも示しているように思われる。あるいは言い換えれば、「墓」への関心は弱まっても「永続」への関心はなくなってはいない、ということであもる。
 そもそも、人が「石の墓」をつくろうとするのは、それが「永続」するという期待からであり、また「永続性」を象徴しているからである。逆に、「永続」が期待でき、かつそれを象徴するものであれば「石の墓」でなくてもいいわけである。現代であればそれはなんであろうか。
 意外にも、それはすでに身近にある。すなわち、「デジタルデータ」である。

 デジタルデータは、磁気テープ、フロッピーディスク、ハードディスク、CD、DVD、USBメモリーなどその媒体は次々に変わり、転々としても、そのデータの中身は途中でノイズが入り込まない限り「永続」する。しかも、コピーも容易であるので、場合によってはこの世界から消去しようと思っても消去できない。つまり、意図せずして「永続」してしまう可能性もある。
 したがって、デジタルデータの形で「自分」が「永続」する、というのはSFでもバーチャル(仮想的)なことでもなく、すでにリアル(現実的)なことである。
 しかしそうすると問題なのは、どのようなデジタルデータで「自分」を残すのか(あるいは、”供養”されるのか)ということ、である。これについては、すでにそのあるべき姿が少しずつ見え始めている(例えば「飯島愛の”〈タマシイ〉の墓”はネット上にある」)。

 したがっていずれにしても、現代人は、どのように自分の「墓」を残すか、どのような「永代供養」にしたらよいのか、ということを虚心坦懐に検討するのであれば、パンフレットを見比べてどの業者がいいかあれこれ悩むよりは、どのようなデジタルデータを残せばよいか、ということをもっと真剣に考えてみるべきだと思われる。

 
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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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