【初版限定ハートポケット付箋つき】Never Ending Note ~未来に残すエンディングノート
Never Ending Note~未来に残すエンディングノート~
著者:未来に残すエンディングノート編集委員会
販売元:集英社
(2012-10)
販売元:Amazon.co.jp

「もしも」に備えるだけじゃない!? 若いうちだからこそ楽しく書ける「遺言状」

 2011年の東日本大震災以来、「明日何が起こるかわからない。自分の命がなくなってしまう可能性もゼロではない」と誰もが感じたことでしょう。そんな不安を抱いてしまう日々の中で、万が一のことを誰かに託すためにと、エンディングノートの需要も、年齢・ライフスタイルの違いにかかわらず大きくなってきました。
 ですが、従来の「エンディングノート」とは、高齢者が終末期に書き留めておくもの。そこで、集英社は20~40代を中心とする若い世代の女性が「もしも」のときにだけ役に立つだけのものではなく、その瞬間の大切な想いを未来に残せるノートを作りたいと考えました。
 最終的には1450人を超えるFacebookユーザーとリアルな会議も行い、ディスカッションを通じて完成したのが『Never Ending Note~未来に残すエンディングノート~』。葬儀のことなど従来の必須項目に加え、「語りつぎたい美味しい味」や「私の宝物」「幸せの記憶」など女性ならではの視点を取り入れた全く新しいエンディングノートです。

 「エンディング・ノート」というと、高齢者が相続についての考えや葬儀についての希望を書いておくというイメージが一般的だが、この『Never Ending Note~未来に残すエンディングノート~』は20代から40代の若い世代の女性をターゲットにしていて、「『もしも』のときにだけ役に立つだけのものではなく、その瞬間の大切な想いを未来に残せるノート」というコンセプトが面白い。

 本誌で以前にコクヨの『遺言状キット』を取り上げたが(「遺言の”カタチ”と”ナカミ”」)、自分にもしものことがあった場合に残された家族が困らないように準備しておく、という意識は高齢者だけでなく若い人にも広まってきているようにみえる。
 ただ、この『Never Ending Note』の場合、Facebookにページをつくり、そこでユーザーから寄せられた様々な意見を取り入れて完成した、というのが今風でもある。またそこで寄せられた意見も、「私しか知らない子どもが泣きやむおやつのことを書いておきたい」「突然何か起こったとき、親に可哀想と泣かれたくない。愛されて幸せだったこと、一生懸命頑張っていたことを、ちゃんと書いておきたい」など、いかにもその世代の女性らしいものである。

 こうしてみると、それは、一般的な意味での遺書というよりは、”備忘録的”、あるいは”記念写真的”な意味をもっているといえる。遺書や遺言を書くというと(とりわけ正式に効力のあるものは)どうしても肩肘が張ってしまいがちだが、まずはこのように気軽に書き留めことから始めるのがよいかもしれない。

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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