"毎年1千万人増加"中国の高齢化

“毎年1千万人増加”中国の高齢化

日本の介護システム、老人介護の市場規模拡大の中国で拡販

 中国第6回全国人口調査によると、人口世界一の中国では毎年約1000万人のペースで高齢者が増加する勢いとなっている。中国政府では急速な高齢化に対応するため、第12次5ヶ年計画で老人介護事業への積極的な投資を行い、介護施設の増強と介護サービスレベルを向上。これに伴い、老人介護の市場規模も、2020年までに5000億元(約6兆5000億円)まで拡大すると予測されている。
 このような中、日立システムズは、介護事業者向け業務パッケージ「GNEXT養老事業管理システム」を中国の上海市で10月末より販売を開始。上海万序と協業し、上海市の介護施設や中国に進出する日系の介護事業者向けに、同システムを拡販する。
 長寿大国である日本の介護システムはここ数年、飛躍的な進化を遂げている。日本品質のきめ細かな介護サービスは、現在、注目を集めており、今後も世界的な進出を遂げる可能性の大きな分野であると考えられる。

 日本はすでに超高齢化社会に突入しているが、中国もいよいよこれから本格的な高齢化段階に突入していく。
 経済産業研究所の資料によると、中国における60歳以上の人口の総人口に占める割合は、2010年には12.3%で日本の1970年代後半の水準であるが、今後急速に増加していき、2040年代前半には日本の2010年の水準(30.5%)に達する見込みである。

高齢化の進展の日中比較

高齢化の進展の日中比較-総人口に占める60歳以上の人口の割合の推移-(出所:経済産業研究所)

 ただ、中国は人口規模が大きいので、実数で言えば記事にあるようにすでに「毎年約1000万人のペースで高齢者が増加する」というペースであり、これは日本で言えば「住民全員が高齢者である政令都市が毎年一つ増えていく」というペースで、ちょっと想像を絶する事態である。
 こうした事態に備えるためには、大きな経済規模と高い経済成長率を維持していくことが要求されるが、これまで高度経済成長を邁進してきた中国経済も最近では翳りを見せている。
 中国の高齢者市場は全体を見れば巨大であるが、現状のままだとすでに大きな社会問題になっている経済格差を高齢者層に拡張していくことになり、さらに政治的不安定要因を抱えることになる。こうした不安定要因を抱えたままだと、「日本品質のきめ細かな介護サービス」の導入も絵に描いた餅になりかねないだろう。

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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