TBS

TBS

女性の寿命、世界2位に転落 85・90歳、香港に抜かれ 震災、自殺が影響か

 平成23年の日本人の平均寿命は女性85.90歳、男性79.44歳で、前年比で女性は0.40歳、男性は0.11歳縮んだことが26日、厚生労働省の調査で分かった。男女とも2年連続で縮んだ。
 主な国・地域別で、日本人女性の平均寿命は22年まで26年連続世界一だったが、23年は香港の86.70歳を下回り、27年ぶりに2位に転落した。日本人男性は4位から8位に落ち、男女ともに1位は香港だった。
 厚労省は、「多数が死亡した東日本大震災が大きく影響している」と説明している。
 震災による死者を除くと、男性は前年より0.15歳延びて過去最高の79.70歳となった。一方、女性は86.24歳と前年を0.06歳下回った。20代で女性の自殺者数が前年の787人から1008人に増えたことなどが原因という。

 世界的にも日本は長寿国として知られており、香港の女性の平均寿命が日本を抜いて世界一になったことは香港の現地でも驚きをもって報じられたようだ。

 女性の平均寿命が低下した主因は東日本大震災のようで、改めて震災が社会に大きな影響を及ぼしたことを痛感する。ただ、それ以外の要因として「20代で女性の自殺者数が前年の787人から1008人に増えたこと」もあげられている。

 日本は先進諸国の中では自殺率が高く、OECD諸国の中ではロシアに次いで2位である。また男女比でいうと男性の自殺率は女性の約2.5倍であり、自殺者の7割は男性である。
 ただし、女性の自殺率が男性に比べて低いのは世界的な傾向である。それを踏まえたうえで、男女別での自殺率の国際比較をみると、日本女性の自殺率は男性に比べて高い順位にある。

諸外国の自殺死亡率(総務省「平成22年版 自殺対策白書」)

諸外国の自殺死亡率
(総務省「平成22年版 自殺対策白書」)

 もっとも、この種の統計数値の国際比較については一般にどこまで実態を反映しているか慎重に考える必要がある。自殺率についても、あくまで各国で「自殺」と認定された件数に基づいているので、各国の警察行政の事情も考慮しておく必要がある(例えば、本当は「他殺」でもあるものが「自殺」で処理されがちな国もあるだろう。)

経済情勢の悪化と”自殺気分”の高まり

 いずれにしても、20代女性で自殺者が増えているというのは気になる情勢である。経済情勢の悪化で、もはやかつてのように結婚相手としての男性に経済的な支えを期待することができなくなってきている。
 若い独身女性は”自立自助”を真剣に考える必要に迫られているが、少子高齢化の趨勢の中で日本経済の先行きは明るくない。

 もともと、女性は”自殺気分”には男性よりもなりやすいと言える。(「「自殺考えた」23%に増加…20代女性3割超」)また、”共感性”も高い傾向があると思われるので、同世代の著名人の自殺に影響されて模倣的に自殺をする人もいるかもしれない。
 いずれにしても、先行き不透明な社会情勢の中で若い女性の自殺者が増えてくると、そのこと自体が引き金となって自殺者を増やすという悪循環が生じる可能性があるので注意が必要だろう。

 日本では90年代末に自殺者数が3万人を越えて、現在も高止まりしたままである。自殺の問題は日本における「死」の文化を考える上で非常に重要であるので、このブログでも折に触れ取り上げ、その意味を考えて生きたい。

LINEで送る
Pocket

The following two tabs change content below.
『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)