葬儀費用の全国平均

葬儀費用の全国平均
日本消費者協会「第9回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」(平成22年)

葬式代なくて誰にも…83歳母の遺体放置

 群馬県館林市上赤生田町で自宅の和室布団内に女性の遺体を放置した疑いで無職野村修身容疑者(47)が逮捕された死体遺棄事件で、館林署は22日、遺体は野村容疑者と同居していた母親の無職野村ツネさん(83)と判明したと発表した。
 捜査幹部によると、野村容疑者は「葬式代などの金がなく、死んだ母ちゃんのことを誰にも言わなかった」と供述しており、自宅は電気も止まっている状態だった。
 ツネさんの死因は不詳で、今年6月頃に亡くなったとみられるという。19日午後5時40分頃、ツネさんの様子を見に行った介護支援専門員の男性(37)が遺体を発見、110番した。

 近年、「孤独死」が盛んに問題にされているが、この件は家族と同居していても「孤独死」になりうることを示している。

 今後、生活に余裕のない高齢者世帯は増えると思われるので、こうした事態も増えることが十分に予想される。
 制度的には、葬儀費用は健康保険から補助金が支給される(要申請)。金額は自治体によって異なるが、概ね3~5万円程度のところが多いようだ。
 とはいえ、通夜・告別式をせずに遺体を直接火葬場に搬送する「直葬」であっても、最低20万~25万円程度は必要になる。日本消費者協会の2010年調査では、葬儀費用の全国平均は約200万円だったということである。

 日本国憲法は第25条1項において「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と定めている。そうであるならば、それと裏腹をなすものとして、「文化的で最低限の『死』を営む権利」が認められるべきではないのか。
 個人的には葬儀費用の平均が200万円というのはちょっと高いように思うし、もしお金をかけるとしても別のことにお金をかけたほうがよいように思うが、それは個々人の価値観の問題ではある。
 とはいえ、かりにも近代国家であるならばやはり「最低限」は社会的に保障されてしかるべきであろう。

 

LINEで送る
Pocket

The following two tabs change content below.
『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)