りそな銀行の「心の信託」

りそな銀行の「心の信託」

りそな銀行、金銭と「エンディングノート」を預かる『心の信託』の取扱開始

 りそな銀行は20日、ハートトラスト「心の信託」の取扱いを開始した。同商品は、相続発生時にすぐに必要となる資金を、顧客があらかじめ指定した受取人がいち早く受け取ることができる信託の機能と、顧客が作成した「エンディングノート」を預り、受取人に確実に届けるサービスを合わせて提供するもの。りそな銀行によると、金銭に加えて、最近、関心が高まっている「エンディングノート」を銀行が預かり、届けするサービスの提供は業界初の取組みという。

唯一無二の存在としての「自分自身(個性的人格)」はかつては身内の範囲にのみ遺っていた

 「エンディング・ノート」への関心が高まっている。
 その一つの理由は、「自分の遺り方(のこりかた)」に関心が高まっていることがあると思われる。

 人は死んで肉体が消滅しても、その人の”生きた痕跡”は必ずしも「消滅」しない。墓は遺るし、遺品は遺族の元に遺る。写真や手紙など、他人に送られた物はその人の元に遺る。とはいえ、「遺る」と言っても、一昔前までは、一般の人は家族や親しい知人など身内の範囲にほぼ限られていた。

 もちろん、私的(プライベート)な領域ではなく公的(パブリック)な領域では、その人の(仕事上の)「業績」はいろいろな形で遺るであろう。事業をすれば事業の成果は遺るであろうし、雇用者であってもその会社の事業を通じて間接的に仕事上の業績は遺るだろう。ときどきテレビのコマーシャルなどでやっているように、「あのダムはお父さんが作ったんだよ」というような形での遺り方である。

 ただ、公的な領域での遺り方は、あくまでも「功績」という意味での遺り方、「社会の一員」として功績を残した、というの遺り方である。当然、そこで遺るものはその人の「(個性的)人格」、すなわち世界に唯一無二の存在としての「自分らしさ」とは基本的に関係がない。

 ただし、小説家や画家などの創作活動に従事している人の場合、公的な領域での功績としての作品はその人の「自分らしさ」と密接な関係がある。これは芸能人やその他諸々の著名人にも大なり小なり当てはまるだろう。つまりこうした人の場合、そうした公的な領域での功績や活動を通じてその人の「自分らしさ」のプロフィール情報が(意図しようと意図しまいと)遺るのがふつうである。
 さらにまた、そうした公的な領域での功績が優れたものであればあるほど、そうした「自分らしさ」のプロフィール情報、すなわち「伝記」が広く永く遺りやすいだろう。

 

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『コトダマ新聞』の主筆(代表)です。時流に流されずに死生観をめぐる文化論にまで掘り下げて考察したいと思います。

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