「電子出版権」を議論した文化審議会の小委員会(出所:MSN産経ニュース)

「電子出版権」を議論した文化審議会の小委員会
(出所:MSN産経ニュース)

「電子出版権」の創設了承へ ネット海賊版対策で 文化審

 電子書籍の海賊版対策を話し合う文化審議会の小委員会は5日、出版社が裁判で海賊版の差し止めを求められる「電子出版権」の創設を盛り込んだ中間報告案を議論した。大きな異論なく了承の見通しで、文化庁は来年の通常国会での著作権法改正案提出を目指す。

 作家個人では多数の差し止め訴訟を起こすことに限界があるが、出版社が対応できるようにすれば海賊版を抑止し正規の作品の流通拡大につながると期待される。業界の健全な発展で、電子書籍の読者の利益も守られることになる。

 こんにちは、コトダマの里の”ふなっしー”Takeです。

 今回ご紹介するニュースを聞いて、「へー、紙の書籍には出版権があるのに電子書籍にはなかったんだ」と初めて知った人も少なくないと思いますが、何を隠そうわたしもその一人です(苦笑)。

 でも、「海賊版対策」として「出版権」の設立、という話には正直「へー、え?」というかんじです。これは性風俗の乱れを防ぐためにAVのモザイク規制をするというような(良いたとえが思いつかなくてすみません)、的を100mぐらい外している感が否めません。

 そもそも、これまで紙を媒体にした出版物には出版権があるのに電子媒体の出版物にはなかったというのは、たんに技術の進歩に法律の整備が追いついていないというよくありがちな話の一つに過ぎないでしょう。
 その一方で今ことさら電子出版権の設立が急がれる背景としては、電子書籍と電子出版の急速な普及によって「個人出版」の道が切り開かれ、従来の出版社が”置いてきぼり”にされるのを避けたい、という大人の事情が見え隠れします。
 簡単に言えば、「海賊版対策」を口実に「自分たちにはまだまだ果たすべき役割がある!」ことを著者にアピールしたいわけですね。

 しかしよく考えると、”海賊版対策のために”出版権を出版社(者)に譲渡する著者は、たとえて言うなら相続税対策のために教育資金の生前贈与をするというような(良いたとえが思いつかなくてすみません)一部の資産家(有名著作者)に限られるでしょう。
 出版権を譲渡するということは「本を世に出す権利」を譲渡するということですから、言うなれば我が子(本)の将来と命運を託すことに等しいわけです。
 だとすると、どの出版社(者)から本を出すか、ということは、我が子に何を実現してもらいたいのか、ということにかかってくることだと思います。お金を稼いでもらいたいならそれにふさわしい出版社へ、有名になってもらいたいならそれにふさわしい出版社へ託せばよいでしょう。
 いずれにしても出版社は、著者のその願いをともに実現しようとする良きアドバイザーであり、パートナーであるべきである、と(自戒を込めて)改めて思う次第です。

 

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Take

コトダマの里のIT事業部長兼SE兼お茶係です。主に電子書籍やタブレットなど最新のICT(情報通信技術)の動向について斜め30度ぐらいから考察します。

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