『コトダマ物語&コトダマ・レター選集』は、コトダマの里で作成した『コトダマ物語』および『コトダマ・レター』をテーマごとにピックアップし、編集本としてまとめたものです。
あわせて、『コトダマ物語』『コトダマ・レター』の趣旨とガイダンスも含まれています。
『コトダマ物語』『コトダマ・レター』の入門書であると同時に、その”タマシイ”を凝縮した精選集でもあります。
『選集』に納められた「タマシイの物語」「タマシイのメッセージ」が読者の「タマシイ」に響き、新たな「コトダマ」へとつながっていくきっかけになれば幸いです。
なお『選集1』は『コトダマ物語』『コトダマ・レター』のサンプル・バージョンの位置づけですので、とくにテーマは設けていません。
数年前、『熟年離婚』というドラマが放映され、話題を呼びました。仕事一筋だった夫(渡哲也)が定年退職を迎えた日に、長年連れ添ってきた妻(松坂慶子)から突然離婚届を突きつけられる、という話です。「わたしも主婦を卒業したい・・・」。妻は一見何不自由なく幸せな家庭生活を送ってきたかのように見えて、じつは家庭を顧みようとしない夫に対して長年不満を募らせていて、もうこれ以上自分を犠牲にすることは我慢できなかったのです。わたしは、この番組が始まった当初から食い入るようにテレビを見ていました。そして番組が終わったときにはいつも、深いため息をつきました。細かいところで違いはあるものの、根本的なところではわたしたち夫婦にそっくりだったからです。
「ギャンブル依存症」は人生を危機に陥れる深刻な「病気」です。しかし、世間はなかなかギャンブル依存症を病気とは思ってくれません。ギャンブルにはまる原因は本人の意志の弱さ、あるいは性格のだらしなさだと多くの人は思っているのではないでしょうか。それゆえ、本人の意志次第ですぐにでも克服できるはずだ、と考えるか、あるいは反対に、本人の性格の問題なので一生治らないと、考えるのかのいずれかだと思います。じつは、ある意味でこの両方とも当たっています。わたしは、重症のギャンブル依存症でした。もちろん最初のころは自分をギャンブル依存症だとは思っていませんでした。「ギャンブル依存症」という言葉もよく知らなかったのです。