コトダマレター『カオちゃんへ』 お父さんはこの手紙を病院のベッドでパソコンを使って書いています。窓からは病院の横にある公園の樹々の鮮やかな紅葉が見えます。これまでいろいろな病院に入院しましたが、この病院はとても静かで時間が穏やかに過ぎていきます。最近は体調が良く何もすることもないので、手紙を書くことにしました。


コトダマレター『カオちゃんへ』 今年も、お誕生日プレゼントどうもありがとう。サルのぬいぐるみ、さっそくベッドの脇に飾りました。一見普通のぬいぐるだけど、口が大きくパカッと開いていて、メガネ置きにもなるんだね。便利でかわいくて一石二鳥で重宝しています。ぬいぐるみを見ながら、ふとカオちゃんに最初に会ったときのことを思い出しました。


コトダマレター『幸介へ』 この手紙を読むときは、お母さんはすでにお星さまになっているでしょう。そして空の上から幸介のことを見ているでしょう。空の上からも幸介のことはしっかり見えますが、さすがに声は届かないよね。だから、声の代わりに手紙を届けてもらうことにしました。


お母さんと悟志へ お父さんは昨年一年間病気でずっと療養していましたが、お母さんと悟志のおかげで回復し、今年の春から新しい職場で、仕事に復帰します。体調もすっかり元通りになり、これから人生の再出発です。
 それまで予想だにしなかった病気になり、人生何が起きるか分からない、ということを痛感しました。一昨年は、東日本大震災で大勢の人が一瞬にして命をなくされました。これからも、世の中どんなことが起きるか分かりません。
 人生の再出発にあたり、お父さんが病気の間に思ったこと、そしてお母さんと悟志にぜひ伝えておいておきたいことを、元気でいる間にきちんと書いておくことにしました。
 ただ、これはお母さんと悟志へのメッセージだけれども、自分自身へのメッセージでもあります。これからどれくらい生きられるか分からないけど、これからもときどき自分が書いたこのメッセージを思い出したいと思います。これを書いたときの決意や気持ちを思い出し、自分自身を励まし、勇気づけることができるかもしれない、と思っています。