美智子へ 還暦祝いどうもありがとう。
 記念品の写真入り時計は風格があってとても気に入っている。それを見ていて、ふと、一緒になってからこれまでのお礼の手紙を書いてみようと思った。ただ、改まって伝えるのは正直、気恥ずかしいので、手紙にして残しておくとわたしがあの世に行った後にでも読んでもらえるかなと思った。でも、いざ書こうとすると、何を書いたらいいのか分からない。丁寧に書こうとすると、まるで遺言状のようになってしまう。
 結局、今思っていることを、素直にそのまま書くことにした。たんなる独り言のようで全然お礼の言葉になっていないかもしれないが、それは勘弁してもらいたい。